...道々お摘みなすった鼓草(たんぽぽ)なんぞ...
泉鏡花 「婦系図」
...道々、丸万は露店仲間にぼちぼち、同志ができたと言って、「そのうちの一人はもと先駆者同盟にはいってた奴なんだ」と、さも俺がその同盟のことを知っているかのように言った...
高見順 「いやな感じ」
...どうやら道々そういう相談をしたらしい...
壺井栄 「二十四の瞳」
...彼は道々今朝(けさ)買い忘れたリチネの事を思い出した...
夏目漱石 「明暗」
...道々考え直してみると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...道々往来へ撒(ま)いて行きました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それから湯島へ引返す道々...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...二道々源吉は、八五郎のために事件の輪郭(りんくわく)を説明してくれました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...道々、広い砂地のようなところを通る...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...道々ゆっくり話すが...
平林初之輔 「五階の窓」
...引き返した道々、ふつとこの長屋の角の家を見ると、名刺の裏か何かに「タルノ」と片仮名で書いた紙片(かみぎれ)が貼つてあつたのを、お妙が見出したのであつた...
牧野信一 「お蝶の訪れ」
...源氏は道々も明石の心を思って罪を作ることに知らず知らず自分はなったかとも思った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...――道々、木の実を糧とし、羊の乳をのんで病躯を力づけ、山中の陣を訪れて、きっと韓暹を説きつけてみせます...
吉川英治 「三国志」
...道々見る敵の死骸によって...
吉川英治 「新書太閤記」
...道々、伊吹(いぶき)のすそや不破(ふわ)の山かげには、まだ雪も深かったが、滋賀(しが)のさざなみに照(て)り映(は)える陽を横顔にうけて、湖畔をのたりのたり練(ね)ってくると、よいほどに汗ばんで、行列の兵卒たちも、歩きながら眠たげであった...
吉川英治 「新書太閤記」
...佐久間方のしっぱらいの任に当った安井左近家清(いえきよ)は、手勢数百を、道々、半町ごとに伏せて、秀吉の先鋒がかかるやいな、「外(はず)すなっ」小銃の一斉音と、弾(たま)けむりをもってつつみ、銃手が弾込(たまご)めするあいだには、「射ろ射ろっ...
吉川英治 「新書太閤記」
...縄目はぜひなしとするも、あれぞ越前の捕虜と、道々、人目の辱(はじ)に曝(さら)すまいぞ...
吉川英治 「新書太閤記」
...「道々しくうるはしきは皆いつはれる上面(うわべ)のことにて...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
便利!手書き漢字入力検索