...其時大きな地震があつて水月は逸早く跣足のまゝ庭に飛び下りた...
高濱虚子 「俳諧師」
...本社側の逸早く探知したところでは...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...合図の鐘が鳴ったから逸早く駈け込むこと...
谷譲次 「踊る地平線」
...本誌と『改造』とが逸早く...
戸坂潤 「社会時評」
...車力と後押しはこの騒ぎを聞くと逸早く...
中里介山 「大菩薩峠」
...フランス大使ショアシュール・グウフィエ伯と副領事フォヴェル(画家)が逸早くパルテノンの彫刻を運び去り...
野上豊一郎 「パルテノン」
...逸早く宗皇帝を相談役に抱え込んだ林の日安鉱業に一歩立遅れ...
久生十蘭 「魔都」
...この方は逸早く風を喰って逃走しましたが...
久生十蘭 「魔都」
...逸早く彼が先に眼を閉ぢた...
牧野信一 「病状」
...この花梗はじつは今年出た葉腋にあってその頂に一芽を有する今年生の極く短い短枝(学術語)の側面にある苞腋(この苞は逸早く謝し去り花の時にはない)から発出しているのである...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...彼等少年少女は逸早くこの世紀……〔以下数行分欠〕……性教育の必要はその中から叫ばれ始めた...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...逸早く、むすめは子を負い、むすめの良人は老禰宜を扶(たす)けて、どこかへ避難したにちがいないと察したからである...
吉川英治 「上杉謙信」
...そして、謙信はといえば、そこへ逸早く、鬼小島弥太郎が、拾い馬の口輪(くちわ)をつかんで曳き寄せて来たので、その背へ跳び乗るが早いか一鞭加えて、「返せ...
吉川英治 「上杉謙信」
...逸早く姿をくらましたお粂の行先を突き止めるべく馳けずり廻っていた手先のひとりです...
吉川英治 「江戸三国志」
...ひとりは逸早く手ぬぐいを取って猿轡(ぐつわ)をかける...
吉川英治 「江戸三国志」
...ついに追捕(ついぶ)の網にもれて逸早く逃げてしまったことである...
吉川英治 「新書太閤記」
...――そういう土地へ行って逸早く割り込めばきっとなにかうまい仕事があるだろう...
吉川英治 「宮本武蔵」
...この時に逸早く信長に眼をつけ...
和辻哲郎 「鎖国」
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