...次第にのしかかって来る千曳(ちびき)の岩を逞しい肩に支えようとした...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...頭をぶっつけそうにして背の高い逞しい士官が...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...このパイプでも分るように、顎のがっしりした、逞しい、乱暴な男なんです...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「歌う白骨」
...人間の生活力の逞しい流れだけは掌で触れ...
田中英光 「さようなら」
...逞しいむき出しの腕でその幼児を軽々と引っかかえて引込んで行った...
寺田寅彦 「札幌まで」
...俺には逞しい慾望がない訳では決してないのだ...
豊田三郎 「リラの手紙」
...二人とも二十歳を越えたばかりと思はれる逞しい青年だ...
中島敦 「環礁」
...この少年の逞しい知恵が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お前の逞しい胸、牛でさえ引き裂く、その広い肩、その外観によって、内部にあるお前自身の病毒は完全に蔽いかくされている...
葉山嘉樹 「牢獄の半日」
...朱塗の逞しい柱や格子がうかゞはれると思つて...
牧野信一 「ダニューヴの花嫁」
...生活の意欲の逞しいのは快いとする...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...強く逞しい若者に育て上げて下さい...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...あなたは若く逞しい美丈夫であらせられる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...壮漢は逞しい※(あか)ら顔をはたと予に向けて「どんな貝を取っているんだ」と居丈高に呶鳴(どな)る...
山本周五郎 「青べか日記」
...背丈が高く、肩の張った骨太の、逞しい躯つきは、うしろからひとめ見ただけで、それとわかった...
山本周五郎 「ひとごろし」
...逞しい躯つきの侍の姿が...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...それが軽部が疑われたというのも軽部の先ずひと目で誰からも暴力を好むことを見破られる逞しい相貌から来ているのであろう...
横光利一 「機械」
...休ましてくれ」「意気地のねえ野郎だな」逞しい石曳き仲間は...
吉川英治 「宮本武蔵」
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