...逞しい巡査を呼びとめました...
芥川龍之介 「河童」
...頭をぶっつけそうにして背の高い逞しい士官が...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...杉田の日焼した逞しい顔をじろじろと見つめ...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...奇妙な甲虫(かぶとむし)櫟林(くぬぎばやし)は巨人群像のように、逞しい枝を張り、生々した梢を大空の方にグッと伸ばしていた...
海野十三 「地球盗難」
...逞しい猛獸面らの座長が靈魂の不滅を説いて...
小穴隆一 「二つの繪」
...逞しい雄の姿への美的な耽溺でもある...
中島敦 「盈虚」
...賢くて身体の逞しい男の子に限られておりますが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そういう逞しい顔々が並ぶと道益は...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...このごろではクルマが廻りつづけて追々と暮しが順調に傾いて来たらしいといふ噂が広まつたらしく次から次へ逞しい債権者がおし寄せて...
牧野信一 「沼辺より」
...最も逞しい描寫力を持つと極附のトルストイは...
水上瀧太郎 「覺書」
...逞しい肩に波をうたせてやや暫く男泣きに泣いた...
山本周五郎 「似而非物語」
...逞しい肩をみせ、しっかりとした、大きな歩調でずんずん去ってゆく...
山本周五郎 「契りきぬ」
...年は七十ちかいだろうか、逞しい躯と、顎(あご)の張った長い顔に、一種の威厳が感じられた...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...逞しい四十男(ついに名はわからなかった)が躯じゅう爪痕(つめあと)だらけになり...
山本周五郎 「風流太平記」
...そのために逞しい胸があらわに見えており...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...俺に弁護士になれと云うた奴は彼奴(あいつ)一人じゃ」又或時傍の骨格逞しい眼付きの凄い老人に筆者を引合わせて曰く...
夢野久作 「近世快人伝」
...逞しいあの行商人だましいには成りきれなかった...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...その夫らしい逞しい男の後ろから異邦人の間を...
吉田絃二郎 「八月の霧島」
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