...水が逆さになつて來るから堤防の中に水が這入る...
田中正造 「公益に有害の鑛業を停止せざる儀に付質問書」
...大玄関を這入ると...
谷譲次 「踊る地平線」
...もう再び学校なんぞへ這入るのは嫌になるだろう...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...月々の払いはボーナスが這入るまで後廻しと云うやり方...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...のんびりと遊んでゐる中へ這入ると...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...無意識的虚偽が這入る余地がないと云うことにはならぬし...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...従って大部分のものはもはや新聞紙としての性格を脱して雑誌の範疇に這入ることが出来るように見えるが(そして今日人々はこの現象を促えて新聞の雑誌化とも呼んでいる)...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...二本さした者は無銭で這入ることが出来たのである...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...二から這入るんだッけね...
永井荷風 「夏の町」
...私が御飯の間に這入ると父と母はしてゐた話を急に止めた...
中原中也 「その頃の生活」
...その中にあなたの家を訪ねた時に思いきって這入(はい)ろうかイヤ這入るまいかと暫く躊躇(ちゅうちょ)した...
夏目漱石 「教育と文芸」
...かと思うとまた一切空(いっさいくう)に這入る...
夏目漱石 「坑夫」
...病室へ這入ると、お前の母が老年の近い小皺の寄つた顏を土氣色にして、釣り上つたやうな眼でぢつとお前の顏を見詰めてゐる姿が、私の胸を衝いた...
南部修太郎 「疑惑」
...いいのになると七十円位這入るそうだが……」どこかでハタハタでも焼いているのか...
林芙美子 「新版 放浪記」
...その中へ這入ると急に薄暗(うすぐら)くなったようだけれど...
堀辰雄 「美しい村」
...薬局の廊下に這入ると...
夢野久作 「復讐」
...部屋へ這入ると、お柳は正面の八仙卓の彫刻の上に肱をついて、西瓜(すいか)の種を割りながら、傴僂の男と顔を合せて笑っていた...
横光利一 「上海」
...栂樅などの林に這入る...
吉江喬松 「山岳美觀」
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万病 食うか食われるかの争い 落ち穂
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