...大損害を受け辛うじて敵を撃退し得たがダウンは依然ドレスデンを固守して冬営に移った...
石原莞爾 「戦争史大観」
...そして辛うじて通り得るのである...
犬田卯 「沼畔小話集」
...辛うじてわしが掴んだ政の身体だった...
海野十三 「夜泣き鉄骨」
...それで辛うじて寝ついた――アルコールかカルモチンか...
種田山頭火 「行乞記」
...辛うじて船を岸につけることが出来た...
田山録弥 「船路」
...堪え兼ねてボーイを呼んで大きな氷塊を取寄せてそれを胸に載せて辛うじて不眠の一夜を過ごした...
寺田寅彦 「夏」
...それを引き上げるのも辛うじてだった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...辛うじて二冬を凌いだ苦しい体験が...
中谷宇吉郎 「霧を消す話」
...笑ひ出し度い気持を辛うじておさへました...
牧野信一 「愚かな朝の話」
...「Mさんもトラベラスか?」彼は辛うじて振り返ると...
牧野信一 「競馬の日」
...他の馬が辛うじて向きがそろつて...
牧野信一 「競馬の日」
...眼を凝して見ると辛うじて窺はれた...
牧野信一 「山を越えて」
...ために生産物を各人に辛うじて生命を維持し得る程度しか与え得なくなった時には...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...もちろん御記憶でございましょう」伊兵衛は辛うじて頷いた...
山本周五郎 「雨あがる」
...辛うじて身を支えながら...
山本周五郎 「山彦乙女」
...辛うじて尻を被うほどの短い袖無袢纏を着...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...森で辛うじて一本の径を見出すと...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...乗員たちは辛うじて帰って来た...
和辻哲郎 「鎖国」
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