...さもなければ身一つで逃げ出すだけの気転が無くてはならぬが...
薄田泣菫 「茶話」
...こうして女の身一つで捨てゝおかれてはとても佗びしくてたまりませんし...
谷崎潤一郎 「三人法師」
...妹はかよわい身一つで病人の看護もせねばならず世話のやける姪をかかえて家内の用もせねばならず...
寺田寅彦 「障子の落書」
...身一つで焼け出され...
中里介山 「大菩薩峠」
...銘々身一つで逃げるのが精一杯で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...銘々(めいめい)身一つで逃げるのが精一杯で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「お組はこゝへ來るとき、何か荷物らしいものを持つて來たのかえ」「いえ、本當に身一つで、手拭から櫛(くし)まで貸しました」「お小遣は?」「巾着(きんちやく)も紙入も持つてゐなかつたやうです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...身一つで歸つて行きました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それでも三蔵は、親分に義理を立て、子分は皆無、身一つで、中ノ川一家を名乗っている...
長谷川伸 「沓掛時次郎 三幕十場」
...身一つで家を出てしまひ...
林芙美子 「浮雲」
...身一つで戻つて来ましてね...
林芙美子 「浮雲」
...私は身一つで東京へ出て参りました...
林芙美子 「文学的自叙伝」
...槇氏は身一つで飛び出さねばならなかったのだ...
原民喜 「廃墟から」
...殆ど身一つで子爵家の空氣を脱れたといふ有様で...
三島霜川 「平民の娘」
...身一つで逃げ出した...
柳田国男 「故郷七十年」
...飢(う)えと寒さにガタガタふるえている深夜の我が身一つであります...
吉川英治 「江戸三国志」
...曹操は、身一つで、ようやく岸へ這いあがった...
吉川英治 「三国志」
...王楷の二使だけは辛くも身一つで下(かひ)の城まで逃げ着いた...
吉川英治 「三国志」
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