...髪を洗う女のように頭を水に突っ伏している雑草の背を踏んで...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...靴下だけで床を踏んでいるのです...
谷譲次 「踊る地平線」
...どんなステップを踏んでいるか判断ができないくらいであろう...
寺田寅彦 「空想日録」
...が、茂公は、この閨秀(けいしゅう)の詩人をして舌を捲かせていることはいっこう御存じなく、例の般若(はんにゃ)の面は後生大事に小脇にかかえて、なおしきりに月に嘯(うそぶ)きながら、更に続々となんらかの感興が咽喉(のど)をついて出るのを、しばらくこらえているようでしたが、勢いこんで、とってもとっても勿体(もったい)なくて上られえんとってもとっても右のように喚(わめ)き出したかと思うと、さんさ時雨(しぐれ)かかやのの雨か音もせで来てぬれかかるとってもとっても勿体なくて上られえんとってもとってもとうとう船べりで、足拍子を踏んで、片手を振り上げながら、面白おかしくおどり出してしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...思い切りアクセルを踏んで...
中谷宇吉郎 「黒い月の世界」
...長押(なげし)を踏んで座敷へ忍び込んだり...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...女の帯際を踏んで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...小砂利(こじやり)を踏んで入ると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...足音荒く廊下を踏んで...
正宗白鳥 「編集者今昔」
...平(たいら)な道を踏んで来たが...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...平野を踏んでから後を撃つ構えに出たのは...
吉川英治 「上杉謙信」
...水を踏んでゆくのであります...
吉川英治 「江戸三国志」
...あぶない薄氷を踏んで来たのには...
吉川英治 「大岡越前」
...先人の教えを踏んで来ただけなのだ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...柔(やわ)い草を踏んで...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...新吉は踏んでいる床が左右に揺れたかと思って角柱(すみばしら)へ背なかを寄せたが...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...沼のへりにおほよそ葦の生ふるごと此処に茂れり石楠木の木は沼のへりの石楠木咲かむ水無月にまた見に来むぞ此処の沼見にまた来むと思ひつゝさびしいそがしきくらしのなかをいつ出でゝ来む天地(あめつち)のいみじきながめに逢ふ時しわが持ついのちかなしかりけり日あたりに居りていこへど山の上の凍(し)みいちじるし今はゆきなむ昂奮の後のわびしい心になりながら沼のへりに沿うた小径の落葉を踏んで歩き出すと...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...竹取の翁の伝説を踏んではいるがその伝説を詠(よ)んだものではない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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