...かの正々堂々赤裸々として俯仰天地に恥づるなき我が歌に就いて...
石川啄木 「雲は天才である」
...六尺似神(じしん)の赤裸々を提げて...
石川啄木 「雲は天才である」
...そこで今自分は、一年中最も楽しい秋の盛岡――大穹窿(だいきゆうりゆう)が無辺際に澄み切つて、空中には一微塵(いちみじん)の影もなく、田舎口から入つて来る炭売薪売(まきうり)の馬の、冴えた/\鈴の音が、市(まち)の中央(まんなか)まで明瞭(はつきり)響く程透徹であることや、雨滴(あまだれ)式の此市(ここ)の女性が、厳粛な、赤裸々な、明哲の心の様な秋の気に打たれて、『ああ、ああ、今年もハア秋でごあんすなッす――...
石川啄木 「葬列」
...瑜瑕(ゆか)並び覆(おお)わざる赤裸々の沼南のありのままを正直に語るのは...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...かえって赤裸々で面白いようにも思う...
大杉栄 「獄中記」
...あのような赤裸々が...
太宰治 「女の決闘」
...あらゆる人々の姿がまったく赤裸々の姿であるがままに描き出されている...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...はたして自分自身に対して完全に赤裸々な態度をとり...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...階級のいかんにかかわらず赤裸々(せきらら)の人間を赤裸々に結びつけて...
夏目漱石 「道楽と職業」
...赤裸々の交際というものは...
新渡戸稲造 「人格を認知せざる国民」
...赤裸々だ...
平出修 「瘢痕」
...彼等は共に赤裸々な自己を見せるには堪へられなかつた人々である...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...しかし赤裸々の彼自身は懺悔録の中にも發見出來ない...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...君は全く活躍し、赤裸々であつた...
室生犀星 「愛の詩集」
...彼の赤裸々な風貌がうかがい見られる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...どうしても赤裸々な弟の行状を語ることができなかった...
吉川英治 「剣難女難」
...だが子供たちのすく/\と伸びた健かな赤裸々な肉体を見出す時...
吉田絃二郎 「八月の星座」
...そうして我々は赤裸々な先生の心と向き合って立つことになる...
和辻哲郎 「夏目先生の追憶」
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