...しかし赤裸々の彼自身は懺悔録(ざんげろく)の中にも発見出来ない...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...實行の生活に於いて、客觀は赤裸々に、その全面を呈露して「對象性」をとる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...これこそは本当の生命の赤裸々な表現ではないか...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...既に赤裸々の姿をして夕空寒く突き立って見える...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...そこで今自分は、一年中最も樂しい秋の盛岡――大穹窿(てんじやう)が無邊際に澄み切つて、空中には一微塵の影もなく、田舍口から入つて來る炭賣薪賣の馬の、冴えた/\鈴の音が、市の中央(まんなか)まで明瞭(はつきり)響く程透徹であることや、雨滴(あまだれ)式の此市(こゝ)の女性が、嚴肅な、赤裸々な、明皙の心の樣な秋の氣に打たれて、『ああ、ああ、今年もハア秋でごあんすなつす――...
石川啄木 「葬列」
...赤裸々(せきらら)の姿を見せてはいますけれど...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...そして赤裸々に正直なところを打ち明けさせる...
高田保 「貸家を探す話」
...そしてかようなイメージを閉ざしておくに足ると思われる赤裸々かつ堪え難い事実がある……エドワード・ヴェスパーはその妻を二度と見ることがなく...
O. H. ダンバー O. H. Dunbar The Creative CAT 訳 「長い部屋」
...飜つて人間を見ればこの赤裸々の無數の兒童...
戸川秋骨 「道學先生の旅」
...貧困は直ちに物質的生活を赤裸々にして...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...冬(ふゆ)の日(ひ)は短(みじか)い空(そら)を赤裸々(せきらゝ)に横切(よこぎ)つて大人(おとな)しく西(にし)へ落(お)ちた...
夏目漱石 「門」
...赤裸々な人間の浅ましさなど...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...彼等は共に赤裸々な自己を見せるには堪へられなかつた人々である...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...しかし赤裸々の彼自身は懺悔録の中にも發見出來ない...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...彼等は果して赤裸々(まっぱだか)の個人として見て...
正宗白鳥 「論語とバイブル」
...太陽が赤裸々で居る如くに!そして...
與謝野寛 「南洋館」
...どうしても赤裸々な弟の行状を語ることができなかった...
吉川英治 「剣難女難」
...因襲の力をはねのけて赤裸々の実力に物を云わせるという当時の社会的情勢を...
和辻哲郎 「鎖国」
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