...負けじ魂の老人だけに...
有島武郎 「親子」
...鎌倉以来の負けじ魂を奮つて「マスチツフ」でも「ブルドツク」でもさア来い...
内田魯庵 「犬物語」
...また盲目の僻(ひが)みもあって人に弱味を見せまい馬鹿(ばか)にされまいとの負けじ魂(だましい)も燃えていたであろう...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...もともと派手を競うのは持ち前の負けじ魂に発しているのでその目的に添(そ)わぬ限りは妄(みだ)りに浪費することなくいわゆる死に金を使わなかった気紛(きまぐ)れにぱっぱっと播(ま)き散らすのでなく使途を考え効果を狙(ねら)ったのであるその点は理性的打算的であったさればある場合には負けじ魂がかえって貪慾(どんよく)に変形し門弟より徴(ちょう)する月謝やお膝付(ひざつき)のごとき...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...ちよいちよい昔の負けじ魂を押へきれないやうだ...
種田山頭火 「行乞記」
...そして負けじ魂と強い腕の力で波風をしのいでいる人のように見える...
寺田寅彦 「宇都野さんの歌」
...何でもやり通すという意気と負けじ魂があった...
徳田秋声 「爛」
...その負けじ魂といふよりかも...
中原中也 「よもやまの話」
...「この癇癪と負けじ魂とは...
中谷宇吉郎 「長岡と寺田」
...ドイツ人ヘンデルにはドイツ人に共通の負けじ魂ときかん気がある...
野村胡堂 「楽聖物語」
...わずかに負けじ魂の眼を光らせます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...日頃の剛腹と負けじ魂が蘇って...
野村胡堂 「笑う悪魔」
...持ちまえの負けじ魂で...
火野葦平 「花と龍」
...が、負けじ魂から、滅多には屈服せず、尚おかれこれと諍論(いいあらそ)ッている...
二葉亭四迷 「浮雲」
...その上、お初の、負けじ魂で、ともすれば男の闇太郎に張り合って、悪口の一つもきくのが、ひびいていやしまいかと、気にもなる...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...末摘花は負けじ魂からではなく...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...穉(おさな)い Neugierde と余計な負けじ魂との為めに...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...負けじ魂のあつた人らしいので...
森鴎外 「俳句と云ふもの」
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