...「誰彼かまわず話しかけるなんて失礼だよ...
...「彼女は誰彼関わらず優しい人だ...
...「誰彼構わず好奇心旺盛な子供だった...
...「彼は誰彼知らずに自分の意見を述べていた...
...「誰彼問わずフレンドリーな態度で接するのが彼の持ち味だ...
...その時何か大殿樣と御側の誰彼との間には...
芥川龍之介 「地獄變」
...渠は又、近所の誰彼、見知り越しの少年共を、自分が生村の會堂で育てられた如く、育てて、教へて……と考へて來て、周圍に人無きを幸ひ、其等に對する時の嚴かな態度をして見た...
石川啄木 「赤痢」
...私は経営規模のほぼ似通った郷里岡山の誰彼の家庭を想い浮かべて懐かしい気持になるのである...
犬養健 「“指揮権発動”を書かざるの記」
...側(そば)にゐる誰彼は幾らか冷かし気味に...
薄田泣菫 「茶話」
...」市長は心のうちで誰彼といろんな人達を数へあげてみるらしかつたが...
薄田泣菫 「茶話」
...わたしは彼を現存の誰彼のうちで最も信念の人であるとおもう...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...そして、昔の友達の話、村の誰彼の噂、私に取っては珍しくもない、巴里や倫敦の話などを子供のように貪り聞きながら、それからそれと話の種は尽きませんでした...
橘外男 「仁王門」
...親類の誰彼なんぞの顔が見えるんで...
谷崎潤一郎 「紀伊国狐憑漆掻語」
...親類の誰彼、伯父伯母(おじおば)などに聞いてみても、母の里方(さとかた)については、不思議に知っている者がなかった...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...同窓の誰彼の噂であった...
豊島与志雄 「運命のままに」
...また正直にそれを家族の誰彼に訴えた...
夏目漱石 「行人」
...現代一般の誰彼(たれかれ)について用いられるべきで...
夏目漱石 「こころ」
...誰彼れの差別なく捉まへては...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...わけても平右衞門町の佐渡屋――金の實(な)る木を植ゑたと言はれる兩替屋の裏座敷には、二階から塀を越して、高々と水に張出した櫓を架(か)け、女主人お兼を中心に、店の者一統、出入りの衆、町内の誰彼れ、山の手の親類まで、ざつと四十人あまり、鬼灯提灯(ほゝづきちやうちん)をかけ連ねた下に、この世の終る日までも續きさうな、底拔けの狂態が展開されて居りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...酒の上から同門の誰彼を捉へて...
眞山青果 「茗荷畠」
...誰彼に対する自分として現れた主張は...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...同じ年頃の生意気ざかりが同室している小姓部屋の誰彼(だれかれ)である...
吉川英治 「新書太閤記」
...もう誰彼の見わけもつかなかった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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