...早川忠吾は佐野出身の新聞記者村田誠治を訪ねて志賀重昂への紹介を依頼した...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...そしてそれは彼がその経験を非とするいくぶんかの誠実を残しもっており...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...私が旅した時分とは誠(まこと)に隔世(かくせい)の感がある...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...学校教師のように生気なく誠意なく見えるのは...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...誠に笑止な話であるが...
外村繁 「澪標」
...亦誠に此れが為のみ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...誠一が起きて、服をカヤノに着せてやる...
永井隆 「この子を残して」
...誠に不思議な出来事であった...
中島敦 「狼疾記」
...世の中のことがいつでもこういう風に行けば誠に工合が良いものだと勝手なことを考えて...
中谷宇吉郎 「映画を作る話」
...誠に待望の十勝行の再挙が遂に成ったものであった...
中谷宇吉郎 「雪後記」
...誠太郎に向つて、半分怒(おこ)つた様に、「何(なん)だい、苛(ひど)いぢやないか...
夏目漱石 「それから」
...誠に済まないのだが...
長谷川時雨 「朱絃舎浜子」
...いかに朝夕(てうせき)を嘘の中に送るからとてちつとは誠も交る筈(はづ)...
樋口一葉 「にごりえ」
...就(つい)ては乃公(おれ)がお前に云付(いいつ)けてこの原書を訳させると、斯(こ)う云(い)うことに仕(し)よう、そのつもりで居(い)なさいと云(いっ)て、ソレカラ私は緒方の食客生(しょっかくせい)になって、医者の家(うち)だから食客生と云うのは調合所の者より外(ほか)にありはしませぬが、私は医者でなくて只(ただ)飜訳と云う名義で医家の食客生になって居るのだから、その意味は全く先生と奥方との恩恵好意のみ、実際に飜訳はしてもしなくても宜(よ)いのであるけれども、嘘から出た誠で、私はその原書を飜訳して仕舞(しま)いました...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...雄穂は上からブラブラと下って花粉を吐きおろし雌穂は上向になってその花粉を受け留める工風は誠に自然に能く出来たもんダ...
牧野富太郎 「植物記」
...どうにも出来ない――誠 だから...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...向うに誠意がなくとも...
夢野久作 「爆弾太平記」
...少弐父子の誠実さをも...
吉川英治 「私本太平記」
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