...その貫徹す眼で人間の魂の底までも見透すやうな氣がした...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...眼の前に圓く擴がつてゐた海は段々圓周をせばめて遂には眼前一尺の先きも見透す事が出來なくなつた...
有島武郎 「潮霧」
...その夜はそこまで見透す力がなかった...
海野十三 「深夜の市長」
...何物をも見透す鷲(わし)のように鋭い目には...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...犯行の本当の現場を見透す事が出来るのです...
大阪圭吉 「気狂い機関車」
...何となく房一の心を見透すやうな...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...普通の視覚の奥に隠れたあるものを見透す詩人創造者の眼である...
寺田寅彦 「アインシュタイン」
...取るべき道を誤らないためには前途を見透す内察と直観の力を持たなければならない...
寺田寅彦 「科学者とあたま」
...前二者の対立を後二者の対立を通して見透すことが出来ようと云うのである...
戸坂潤 「技術の哲学」
...限られた面で見透すことは僭越だ...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...最も手取り早く要領よく見透すことの出来るのは...
戸坂潤 「思想としての文学」
...人間なる無限なるアンチノミー的構造を見透す重き歩みでもある...
中井正一 「リズムの構造」
...暗を見透す眼があっても...
中里介山 「大菩薩峠」
...人の心を見透す賢さを持ったお由良は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...人の心を見透す賢さを持つたお由良は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ずっと四方を見透すことの出来る高処(たかみ)に坐って...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...私の胸の底を見透すが如き甘気なにやりわらひを浮べて...
牧野信一 「バラルダ物語」
...苔むした根がたからずっと数多の幹々を見透す感じ...
宮本百合子 「九州の東海岸」
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