...のみならず偶然目についた箇所は余人は知らずわたし自身には見逃しのならぬ一行(いちぎょう)だった...
芥川龍之介 「文放古」
...彼はそれを全然利用せずにそのまゝ見逃してしまふ氣にはなれなかつたのださうである...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...部下の過失を見逃し...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...而も之が実は又本当の歴史的な等価関係でもあることを見逃してはならぬ...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...古来の形而上学に対する敵本主義故に見逃したことが...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...科学そのものの側の自覚からは容易に導けないだろうという事実を見逃してはならないのである...
戸坂潤 「思想としての文学」
...本当は極度に困難であり殆んど全く不可能なことだということを見逃してはならぬ...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...他面に於て個人々々の意識の統一を齎すものだという事実も見逃してはならない...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...何とぞ日頃の誼(よし)みにこのまゝお見逃し下されよと...
永井荷風 「榎物語」
...見逃してしまうのかもしれない...
中谷宇吉郎 「画業二十年」
...曲者を御見逃しになつたのは御手落で御座いました」「それは眞實(ほんとう)か...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「どうぞお見逃しを願います」「どっこい待ちな...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――お見逃しを願います」涙とともに畳に額を揉(も)み込む七助の九郎助...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...私は彼を見逃してやっていい...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...どんな隠微な犯罪も見逃しはせぬ...
久生十蘭 「魔都」
...その「美が善より重大である」傾向が次第次第に強まつて行つたのを見逃してはならないのである...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...彼の方法の別の獨創牲の現はれるのを見逃してはならない...
堀辰雄 「プルウスト雜記」
...使用人たちの云うに云われぬとぼけた顔色に顕れているのを誰も見逃しはしなかった...
横光利一 「旅愁」
便利!手書き漢字入力検索