...ややともすればその輪廓を見失うほど...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...犬のすがたを見失うこともなく...
鈴木三重吉 「やどなし犬」
...母親がわりの葉子の愛を見失うまいとして取り着いて来る...
徳田秋声 「仮装人物」
...かくてその性格を見失うことによって...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...それを「部分的」な総体に分析することを見失う...
戸坂潤 「読書法」
...ようやく見つけ出す、すぐ消えている、また探し出す、また見失う、そんなことを百度以上もくりかえしつつ、パトラッシュははしりつづけました...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...たとい混雑に取り紛(まぎ)れて注意人物を見失うまでも...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...駕籠を見失うと、往来にこぼした糠をたよりに、それでも、どうやらこうやら六本木まで辿り着きました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...今度こそは彼女の姿を見失うまいとコスモは決心して...
マクドナルド George MacDonald 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...したいつつ追い求めているその姿を見失うまいとのみ念じていた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...愛情というものの確的な質と行為の本質を見失うと...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...現実のひどさを見ていてそれにひるまないで暖さも賢さも正しさも見失うまいとしている態度...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...工藝そのものを見失うところから来るのである...
柳宗悦 「工藝の道」
...吾々はたちどころに高麗の美を見失うのである...
柳宗悦 「民藝四十年」
...この一刻の風光を少しでも見失うまいと楽しんだ...
横光利一 「旅愁」
...ちょっと油断すれば先行者の姿は草か倒木の下に隠れて見失うのである...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
...当の殿を見失うたので...
吉川英治 「私本太平記」
...ここでお姿を見失うてから...
吉川英治 「私本太平記」
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