...僅(わず)かに覗(のぞ)かれる空には昼月が少し光って見え隠れに眺められた...
有島武郎 「カインの末裔」
...見え隠れにつけて行こう」波越氏は小声で...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...彼方(かなた)の丘に見え隠れして...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...五条の橋まで見え隠れに附いて行ったが...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...中に兜(かぶと)の鉢を伏せたらんがごとき山見え隠れするを向いの商人体(てい)の男に問う...
寺田寅彦 「東上記」
...甲州街道の木立に見え隠れして...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...その代り見え隠れに二人の後(あと)を跟(つ)けて...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...どこまでもどこまでも見え隠れに跟けているのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お菊の跡を見え隠れにつけて行く様子ですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その後から忠太郎が見え隠れに跟(つ)いて来ている...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...枝の間からは海が見え隠れしている...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...何処かの教会の尖(とが)った屋根らしいものが雪の間から幻かなんぞのように見え隠れしていた...
堀辰雄 「菜穂子」
...見え隠れについて行く...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...見え隠れに供していた「蔭の者」二人も...
吉川英治 「大岡越前」
...見え隠れに前の三人を尾(つ)け出した...
吉川英治 「剣難女難」
...都から見え隠れにおあとを慕い...
吉川英治 「私本太平記」
...「あら? ……変だな……やっぱり大蔵様に似ている人だ」それから城太郎は、いよいよ不審を増して、今度はほんとに、見え隠れに、その男を尾行(つけ)てみる気になった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...見え隠れに尾(つ)けて行った...
吉川英治 「宮本武蔵」
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