...次第に更けて人の通りの少なくなるを心待にして西へ東へと行きかえるうち...
饗庭篁村 「良夜」
...西へ東へ彷徨(さまよい)つ...
泉鏡花 「活人形」
...西へ東へと文壇を指導して徐(おもむ)ろに彼岸に達せしめる坪内君の力量...
内田魯庵 「明治の文学の開拓者」
...なかでも鍛冶屋の大将の息子で、いつも少年ながら父親の向鎚(むこうづち)をうっている兼吉(かねきち)は、親ゆずりの忠君愛国の精神にもえ、少年団の先頭にたって、西へ東へと、教えられた通り、定められた街灯を消してまわっていた...
海野十三 「空襲警報」
...八時から十一時まで行乞、なぜだかいやでいやでたえがたくなって、河原に横ってお弁当を食べたり景色を観たりしても、気分がごまかせない、あちらこちらを無理に行乞して二時帰宿、一杯ひっかけた、財布に五銭、さんやに一合しかない、行こう行こう、明朝はどうでもこうでも出立しよう、絶食もよし、野宿もやむをえない、――放下着、こだわるな、こだわるな、とどこおりなく流れてゆく、――それが私の道ではないか!今朝、同室のおへんろさん二人出立、西へ東へ、御機嫌よう、御縁があったらまた逢いましょう...
種田山頭火 「四国遍路日記」
...西へ東へ、或は南へ北へ、さようなら、ごきげんよう...
種田山頭火 「四国遍路日記」
...怨霊(をんりやう)に憑(つ)かれた罰(ばち)あたりのやうにその日その日の国民酒場を西へ東へと追つかけまはつたものである...
宮地嘉六 「老残」
...野を縫う道も西へ東へ...
吉川英治 「江戸三国志」
...西へ東へと散って行く群集と共に消え去ったが...
吉川英治 「剣難女難」
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