...それは少くとも三町は離れた松林に鳴いている蜩だった...
芥川龍之介 「海のほとり」
...なおまた皆川蜩庵(みながわちょうあん)の書いた「木(こ)の葉(は)」の中の「伝吉がこと」も「数年を経たり」と断(ことわ)っている...
芥川龍之介 「伝吉の敵打ち」
...蔭(かげ)つた庭の植込に蜩(ひぐらし)が鳴き出した...
石川啄木 「鳥影」
...めづらしく裏山で蜩が鳴く...
種田山頭火 「其中日記」
...久しぶりに蜩を聴いた...
種田山頭火 「其中日記」
...森に蜩(ひぐらし)の声が...
徳田秋声 「足迹」
...蜩(ひぐらし)の声何処からともなく流れて来ると...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...(明治四十五年 七月二十日)蜩今年の自家(うち)の麦は...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...けたたましく蜩(ひぐらし)が鳴く...
外村繁 「日を愛しむ」
...いつに変らぬ残暑の西日に蜩(ひぐらし)の声のみあわただしく夜になった...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...唖子の談に本郷辺にては蝉未鳴かざるに早く蜩をきゝたりといふ...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...蜩の声に混じりて降る雨の涼しき秋の夕まぐれかな西行にあつて欲しい歌であり...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...はなやかに蜩(ひぐらし)の鳴く声を聞きながら...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...おほかたに聞かましものを蜩の声うらめしき秋の暮れかなと独言(ひとりご)たれた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...蜩の声は、壮年期の弔歌(ちょうか)に聞え、都を中心とする時の潮鳴りが、山の静寂(しじま)とは逆に、心へ底波を打ってくる...
吉川英治 「私本太平記」
...やがて夏の陽あしも蜩(ひぐらし)の声に涼めきそめる頃ともなれば...
吉川英治 「私本太平記」
...蜩(ひぐらし)が啼いていた...
吉川英治 「平の将門」
...蜩(ひぐらし)が啼きぬいている――異僧一山の秋は早い...
吉川英治 「源頼朝」
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