...蓬頭粗服、風采あがらざる一老書生なりしに、それを蜀山人とは、如何にして知り給ふぞと問へば、凡そ天下ひろしといへども、今の世、蜀山人ならで、かゝる句を咏み得るものあらむやと言はれ、吉原第一も今日限りと、齒をくひしばり、わつとばかり泣き伏す...
大町桂月 「牛經」
...狐と鳴きし蜀山人を吉原に呼び寄せぬ...
大町桂月 「牛經」
...蜀山人(しよくさんじん)が見たといふ鰻(うなぎ)になりかけた薯蕷(やまのいも)のやうに...
薄田泣菫 「茶話」
...蜀山人に俟つまでもなく承知してゐた...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...『鶉衣(うずらごろも)』に収拾せられた也有の文は既に蜀山人(しょくさんじん)の嘆賞措(お)かざりし処今更後人(こうじん)の推賞を俟(ま)つに及ばぬものであるが...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...『奴労之(やっこだこ)』『一話一言(いちわいちげん)』等蜀山人が随筆を見るに江戸にて始めて狂歌の会を催せしは四谷忍原横町(よつやおしはらよこちょう)に住みし小島橘洲(こじまきっしゅう)にしてその時集れるもの大根太木(おおねのふとき)...
永井荷風 「江戸芸術論」
...蜀山人始め寝惚(ねぼけ)先生と号して狂詩集を梓行(しこう)せしは明和四年十九歳の時にしてその先輩平秩東作平賀鳩渓(ひらがきゅうけい)らと始めて相知れり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...この前年蜀山人既に狂歌の事よりして小普請入(こぶしんいり)を命ぜらる...
永井荷風 「江戸芸術論」
...これより先安永天明の交(こう)蜀山人と相並びて才名を馳(は)せたる平秩東作...
永井荷風 「江戸芸術論」
...芭蕉と蜀山人の吟咏を以て江戸文学の精粋なりとなせり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...むかし蜀山人が碑の全文を里言葉でつくつた遊女なにがしの墓のある事を故老から聞き伝へて...
永井荷風 「里の今昔」
...蜀山人(しょくさんじん)が吟咏(ぎんえい)のめりやすにそぞろ天明(てんめい)の昔をしのばせる仮宅(かりたく)の繁昌(はんじょう)も...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...目白の眺望は既に蜀山人(しょくさんじん)の東豊山(とうほうざん)十五景の狂歌にもある通り昔からの名所である...
永井荷風 「日和下駄」
...木場は或日蜀山人の狂歌で...
永井荷風 「来訪者」
...蜀山人(しょくさんじん)を罵(ののし)る者がありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...有名な蜀山人さ」無学な私は蜀山人という名前さえまだ知らなかった...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...蜀山人即ち四方の赤良が狂歌によんだのであるから...
三木貞一 「初代谷風梶之助」
...又「蜀山人先生御病気のよし(中略)御病状も承度候」と書してある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
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