...…………薄情な人ね...
石川啄木 「菊池君」
...薄情なのは、世間の涙もろい人たちの間にかえって多いのであります...
太宰治 「女の決闘」
...あの可哀(かわい)そうなお嬢さんを騙(だま)した薄情な大学生は...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...然(しか)るにアントニーはこの薄情な女王の船が自分を捨てて去るのを見ると...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...いくら稼業柄(かぎょうがら)とは言いながら薄情なやつらだと...
中里介山 「大菩薩峠」
...これらの連中はかなり薄情なものであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...そんな薄情なことを言うもんじゃない...
中里介山 「大菩薩峠」
...色気のない泣き方であるだけ、それだけ、兵馬をしていよいよ迷惑がらせていると、「あなたまでが、わたしを袖にして、寄りついても下さらないことが悲しうございます、寄りついて下さらないばっかりか、あなたまでがわたしを置去りにして逃げてしまおうとなさる、あんまり薄情な、あんまり御卑怯な、あんまり情けなくて、わたしは……」と福松が、また、わあっわあっとばかりに泣き落しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...「薄情な野郎だ、女を捨てゝ行きやがつて――」× × ×お濱は危ふく處刑(しよけい)されるのを、平次の情で助られました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...薄情なやうですが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「薄情なやうだが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――それを氣性の激しいお才に拾はれて、家中囃(はや)し立てられたからたまらない、お谷は居たたまらなくなつて、逃げ出したり、井戸を覗いたり、隨分可哀さうだつたといふことですが、逃げ出しても、掛り人の悲しさで、此處より住み心地の良い家はなく、井戸へ飛込む氣にもなれなかつたか、そのまゝズルズルと、居据(ゐすわ)つてしまつたさうで」「氣の毒だな」「それから少しばかりの身だしなみから化粧まで、サラリと捨てて、あの通り汚な作りの働き者になつたといふことですよ」「眞太郎は、その時、どうした」「面白がつて笑つて居たさうですよ、薄情な野郎で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あのやうな薄情な男の子供を産んでなるものかと云つた...
林芙美子 「浮雲」
...薄情なところだのう...
林芙美子 「暗い花」
...薄情な愛人の心をひきとめようとして...
久生十蘭 「キャラコさん」
...あんなに女にあまいおじさまがそんな薄情なことが...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...――おれは薄情なつもりではなかった...
山本周五郎 「花も刀も」
...薄情な男へこぼす涙のようになんの反応もありはしない...
吉川英治 「親鸞」
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