...ひどく蒼白い顔をして...
海野十三 「白蛇の死」
......
陀田勘助 「手をさし延べよう!」
...「御座います――――」「何処だね?」女中は蒼白い小さな顔をあたりにくつきりと見せながら...
田山録弥 「時子」
...蒼白い髪の長い顔をして破調の詩に頭を痛めていた彼...
田山花袋 「トコヨゴヨミ」
...主婦は親切であったが、色の蒼白い、眉の間には始終(しじゅう)憂鬱な影がちらついて、そして時々工合が悪いと云っては梯子(はしご)の上り下りの苦しそうな事があり、また力無い咳をするところなどを見るとあるいはと思う事があって友に計ったが、この家に数年前から泊っていて、ほとんど家内同様になっている医科の男があってそれが一向引越しもしないところから見るとまさかそうではあるまいと云うので、格別気にも止めなかったのである...
寺田寅彦 「雪ちゃん」
...河原も道路も蒼白い月影を浴びて...
徳田秋声 「蒼白い月」
...天才の一撃で以てその暗い色と蒼白い色とを強調することに依つて獲得してゐる...
中原中也 「トリスタン・コルビエールを紹介す」
...蜻蛉(とんぼ)の眼のような頭、赤いネクタイ、荒い縞の背広、長い顎、蒼白い顔色、――なんという不愉快な人相でしょう...
野村胡堂 「水中の宮殿」
...蒼白い顔が少し弱々しく見えますが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...やゝ蒼白い顏をうな垂れてをります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...後で聽いたことですが、それは中年過ぎてから娶(めと)つた後添へで、年も精々二十四五、商賣人あがりらしい、蒼白い顏をした、少し劍のある、――が、美しい女です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...九・二六*41きのうの夢蒼白い月が南国の夜を照らしていた...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...蒼白い顏が一層蒼白くなり...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...蒼白い睡眠が間もなく私の上に覆いかぶさった...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...障子と壁の方にむいた蒼白い顔を目にふいと入れると...
室生犀星 「香爐を盗む」
...痩(や)せた蒼白い顔だちの...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...眼の前に泳ぎ寄る蒼白い水中の裸女の美は...
蘭郁二郎 「足の裏」
...蒼白い若い男があるいて来た...
蘭郁二郎 「自殺」
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