...好い香のする葩(はなびら)の中に魂が包まれた樣で...
石川啄木 「菊池君」
...同(おなじ)くともに仙葩(せんぱ)を看(み)ん...
泉鏡花 「花間文字」
...ぽっかりと眼を醒ました時には開け放たれた硝子窓の彼方からは美しい夏の朝の陽の光が射し込んで爽やかな風がそよそよとカーテンを弄(もてあそ)び窓の上のカーネーションの葩(はなびら)に戯れて眠り足りた私の頬に心地よく触れていった...
橘外男 「逗子物語」
...『葩煎袋』が正しいんですよ」「『ハゼ袋』なんてものがあるか知ら」「ハゼを入れた袋じゃないんですか...
谷崎潤一郎 「細雪」
...極(きょく)の雪の様にいさゝか青味を帯びた純白の葩(はなびら)...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
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富澤赤黄男 「天の狼」
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永井荷風 「向嶋」
...はらはらと葩(はなびら)のごと汗散ると暑き夏さへ憎からぬかな心の持ちやうで人生は如何にでも変化する...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...そこでさっそくにその花葩(はなびら)を摘み採り...
牧野富太郎 「カキツバタ一家言」
...小野蘭山(おのらんざん)の『大和本草批正(ひせい)』には「三波丁子 一年立ナリ蛮産ナレドモ今ハ多シセンジュギクト称ス秋月苗高五六尺葉互生紅黄草ノ如ニシテ大ナリ花モコウヲウソウノ如ニシテ大サ一寸半許色紅黄単葉モ千葉モアリ葩(ハナ)長ク蔕ハツハノヘタノ如ク又アザミノ如シ九月頃マデ花アリ花鏡ノ万寿菊ニ充ベシ」とある...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...余をして幾何(いくばく)か獄窓に呻吟するにまさると思はしむる者は此十歩の地と数種の芳葩(ほうは)とあるがために外ならず...
正岡子規 「小園の記」
...露をはらったなにかの葩(はなびら)のように...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...散った葩(はなびら)は溢れる水に乗ってくるくるとまわり...
山本周五郎 「日本婦道記」
...散りこぼれるうす紅の葩が溢れる水にくるくると舞いやがて井桁の口から流れ落ちてゆく...
山本周五郎 「日本婦道記」
...ぽとりぽとりと血の滴るように葩(はなびら)が散って仕舞う...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...その匂うような葩(はな)の顔が...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...葉子の血の葩(はなびら)のように赤い唇が...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...それに薔薇の葩(はなびら)の如き唇...
渡辺温 「絵姿」
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