...それは樫の木の荒削りで...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「ウェストミンスター寺院」
...それで秀吉が荒削りに日本の統一を完成し...
石原莞爾 「最終戦争論」
...荒削りな肌の細部を隠してしまったので...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...それはもとより粗雜な、荒削りの、純然たる本能的共産主義ではあつたが、それでもその主張はよく急所に當つて、勞働階級の間に有力となり、フランスのカベー、ドイツのワイトリングのやうな、空想的共産主義を産出してゐた...
堺利彦訳 幸徳秋水訳 「共産黨宣言」
...荒削りのやうな相貌に見とれてゐるらしかつた...
薄田泣菫 「茶話」
...きっと荒削りの板で幾つか木箱でも作ってくれるだろう...
谷譲次 「踊る地平線」
...向い合せに坐っていた荒削りの食卓越しに...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...そういったようなデリケートな細工などは一切抜きにして全く荒削りの嘆きの天使ができあがっているようである...
寺田寅彦 「自由画稿」
...身体にも心にも荒削りだが力が満ちていた...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「グローリア・スコット号」
...しかもそれが荒削りの状態のままですぐに変形させられています...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...しかもその木像の首たるや、ほぼ普通人間の三倍ほどある分量を持っていて、木質だけはまだ生々しいのに、昨今急仕立ての仕上げと見えて、その彫刻ぶりが、荒削りで、素人業(しろうとわざ)が、たくまずして七分は滑稽味を漂わせている...
中里介山 「大菩薩峠」
...荒削りの松板に直(ぢか)に坐っている上にあっちこっちにぶっつけるもんだから頭じゅう瘤(こぶ)だらけ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...荒削りの板で作った柩(ひつぎ)があって...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...恐ろしく頑丈で荒削りに出来ていた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...それ丈けにこの荒削りな憤りの声は津々浦々の誰にでもよく合点され...
正岡容 「大正東京錦絵」
...荒削りの板壁で立ち切つてあつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...荒削りな神経の持ち主ではない...
吉川英治 「新書太閤記」
...名も知れぬ誰やらが歌つた、土用なかばに秋風ぞ吹く、といふあの一句の、荒削りで微妙な、丁度この頃の季節の持つ『時』の感じ、あれがひいやりと私の血の中に湧いたのであつた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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