...――彼は苛立たしい肚(はら)の中に...
芥川龍之介 「山鴫」
...彼は妙に苛立たしい憤慨をさへ感じた...
新井紀一 「怒れる高村軍曹」
...時によると苛立たしい生活が続いて行った...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ」
...以前ナターリヤ・ガヴリーロヴナが私の胸によび起こした燃えるような苛立たしい愛情...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...堪らなく陰鬱なまた苛立たしい気持になっていった...
豊島与志雄 「悪夢」
...おれは苛立たしい思いだった...
豊島与志雄 「失われた半身」
...不機嫌を通り越して苛立たしい気持にまでなった...
豊島与志雄 「叔父」
...次第になにか苛立たしい憂鬱の曇りがかけてきました...
豊島与志雄 「立札」
...彼は眉根と鼻と上唇とのあたりに苛立たしい曇りを寄せた...
豊島与志雄 「二つの途」
...表面氷の如く見える彼の自己冷嘲の奥には苛立たしい刺があり...
長與善郎 「青銅の基督」
...四日五日と苛立たしい日は続きました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...直吉は心の中に苛立たしいものを感じてゐる...
林芙美子 「瀑布」
...苛立たしい光線などが皮膚のすみずみに甦り...
原民喜 「忘れがたみ」
...口に苛立たしい音階を繰り返し...
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...自分の作を理解して貰へぬ時の作家の苛立たしい気持...
北條民雄 「独語」
...直ちに苛立たしい心から...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...又はたまらなく苛立たしい品物のように思われてならないので御座いました...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...苛立たしい不愉快な気持ちになって行く...
夢野久作 「鼻の表現」
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