...生きた色つやを失つた黄色く濁つた其の皺深い顔の皮膚...
伊藤野枝 「白痴の母」
...若々しい照りを持った頬の色つやなどがそのためにひとしお引き立てられて...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...最近は特に色つやが悪くて土気色(つちけいろ)をしている...
谷崎潤一郎 「鍵」
...濡(ぬ)れた肌(はだ)の表面へ秋晴れの明りがさしている色つやは...
谷崎潤一郎 「細雪」
...矢張いくらかは新郎らしい若々しさ、と云うのが無理なら、何処か溌剌(はつらつ)とした、色つやのよい、張り切った感じの人であってほしい...
谷崎潤一郎 「細雪」
...悦子の色つやが目立って健康そうになり...
谷崎潤一郎 「細雪」
...顔の色つやが落ち...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...その色つやも大して立派だとは言ふまい...
土田杏村 「あしびの花」
...病人らしい色つやで...
コナンドイル 三上於莵吉訳 「入院患者」
...ほんのりと紅味のさした顏の色つやは...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...洗つたやうに鮮な色つやを誇つてゐます...
永井荷風 「畦道」
...その途端に、向うの真菰の中から、すうーっと辷り出して来た小舟の中に、例のめくら縞に赤い帯、青い襷(たすき)で、檜笠をかぶった乙女が一人――乙女と言いたいが、もう二十四五の、かっぷくのいい、色つやの真紅な、愛嬌たっぷりなのがすれちがいざまに、若い船頭と面(かお)を見合わせ、にっこり笑いながら棹を外(そ)らして、若い船頭を突っつく...
中里介山 「大菩薩峠」
...君はあまり鼠を捕(と)るのが名人で鼠ばかり食うものだからそんなに肥って色つやが善いのだろう」黒の御機嫌をとるためのこの質問は不思議にも反対の結果を呈出(ていしゅつ)した...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...全体からいうとまだ色つやがよく...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...色つやの好きこと如何なる賞め言葉を參らせたらばよかるべき...
樋口一葉 「たけくらべ」
...もう一人の色つやの悪い...
堀辰雄 「幼年時代」
...色つやから毛穴まで丹念になまなましく模写され...
山川方夫 「菊」
...顔の色つやも悪い...
吉川英治 「親鸞」
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