...唯舊約の神エホバは自然の威力の名に於いて雷雲の中より自分の魂を壓迫する...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...永い間幕府の特權に保護されて來た舊家にとつて...
石川三四郎 「浪」
...しかしその材料(ざいれう)構造(こうざう)は依然(いぜん)として舊來(きうらい)のまゝで...
伊東忠太 「日本建築の發達と地震」
...のち長命寺内に芭蕉舊跡の一宇を再興...
心猿 「桜もち」
...福原の舊都まで攻上(せめのぼ)りしが...
高山樗牛 「瀧口入道」
...また舊辭(くじ)ともいい...
武田祐吉 「古事記」
...進歩自由兩黨の舊形依然として實存し...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...一條禪閤兼良といふ人は殊に舊い文化の滅亡に就て非常に慨嘆した人であります...
内藤湖南 「應仁の亂に就て」
...皆非左氏之舊也...
内藤湖南 「支那歴史的思想の起源」
...六月初一(舊五月二日)晴...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...十日、火曜、快晴、寒からず、四時に目醒む、雨ざあ/\と降る、蛙鳴く、六時起床、けさだけ冷水浴やすみ、火鉢を擁して雜談、蛙のいま鳴くのは土中に在りて鳴くのだといふこと、鋸で鯰を捕るといふこと等、八時二十分發車、仙波兵庫といふ男が同室に乘込んで居た、父舊知だ相だ、代議士になつたのでみんなが不思議にして居たのである、尤も二十三年このかた選擧のたび毎に候補に立たないことがなかつたさうだ、つまり根氣で成功したのだ、しかし人物が屑なので困る、雨がやんだ、空がはれかゝつた、笠間驛へつく、父はこゝに下車、叔父の家へ行くのである、自分は乘りつゞける、岩瀬で仙波は下りた、紫の褪めきつた風呂敷包と、破れた鞄とを持つて居た、夕方にやうやく家へついた、表の廣間に妹の仕立物がならべてある、かね/″\見たいと村の者がいつて居たので女房達を呼んで見せたのだ相だ、もう大勢かへつた趾(ママ)で三四人しか居なかつた、茶の間には茶碗や盃が狼藉として居る、一升も熬つた豆が忽ちに平げられたといふ話である、子供達が學校から歸つて見に來た、彦といふ七八つの兒が感に堪へたさまで二拾錢銀貨二つかけた位は出たらうといつたので大笑ひをした、庭の梅散りしきて白し、十一日、曇、泣き出しさうなり、郵便左千夫より、日本週報課題春雨の歌に就いて詳細の論である、……今出たのを見ると君のは意外に少ない……君のは四首や五首ではあるまい、外の歌はどんな歌か見せ給へ、例令人々考が異りたりとて半數以上を削るは削る方が無理か詠者が無理かお互に少し注意せねばならぬと思ふ、實際歌がよくないとすれば半數も削られるやうな歌を送るは選者を困らせること少なからず、同人間ではこの邊少し考へねばならぬ……これがその冒頭だが、自分の作つたのは二十首で入選の歌は四首、半數どころか五分の一のみ、これは作者の惡いのであつた、返事を書かとしたが筆が澁つたのでよす、かういふことはたび/\である、頭のわるいこと醉へるが如くである、午後、至急の郵便を出すため宗道へ行く、斬髮、夜に入りてかへる、甘酒を作るために焚いた飯へ餡をのせてくふ、卵のふわ/\、葱と鰌の汁、樒柑(ママ)の霜よけ、牡丹の霜よけ取拂ふ、梅やゝだらける、自分の座敷へ箪笥や長持を運び込まれたので急に狹くなつた、十二日、木曜、朝雨、忽ちにして霽、午後、妹の鏡臺に手入れする所があつたので杉山の建具屋へ行く、貧乏な淋しい店先で自分はかゞんだまゝ見て居ると建具屋が突然立つて勝手の戸をあけるや否やひどい叫び聲をした、火が一面に燃え揚つて居た...
長塚節 「十日間」
...歐米諸國に在りて所謂舊套時代に屬する十八世紀は論ずるを須ゐず...
原勝郎 「貢院の春」
...其の着想(ちやくそう)が既(すで)に舊(ふる)いロマンチツクの芳(にほい)を帶びてゐる...
三島霜川 「平民の娘」
...その中にひいてある歌には舊エッダのものがまじつてゐる...
宮原晃一郎 「スカンヂナヴィア文學概觀」
...舊い『エッダ』とは別な意味で面白いものでありますが...
宮原晃一郎 「スカンヂナヴィア文學概觀」
...マチマイ越後の舊新發田領などには...
柳田國男 「食料名彙」
...舊藩主の城址や邸館の跡がある...
吉川英治 「折々の記」
...土地でも舊館でも...
吉川英治 「折々の記」
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