...そして汽車が無くなれば泊るよりほかに致し方がない...
石川三四郎 「浪」
...たもとを分つことになっても致し方ない...
高見順 「いやな感じ」
...おかみのお言いつけなれば致し方なく...
太宰治 「新釈諸国噺」
...こればかりは日本人の真似の出来ぬ事で致し方がない...
寺田寅彦 「根岸庵を訪う記」
...林も事前に逃げを打つて「魯西亞人――再渡之節は應接致し方餘程六ヶ敷可相成――月末迄には筒井肥前守川路左衞門尉も歸都可被致候間――引續き兩人にて取扱候樣宜敷被仰渡候樣...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...私はもうどのようなことになりましても致し方ございませぬ...
豊島与志雄 「一つの愛情」
...烏の勘公とあって見れば致し方がない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...「致し方が無い、女、それに直れ」英山公の最後の言葉を聞くと、小堀平治はハッとお園を縁の下に蹴落しました...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...畢竟(ひっきょう)は同じ血をわけた兄弟といわれても致し方はない...
野村胡堂 「随筆銭形平次」
...致し方のないことである...
野村胡堂 「平次と生きた二十七年」
...まあそんな風にこじつけて見るより外私には致し方がないが...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...この滔々たる勢いにはまことに致し方もなく...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...私は止むなく更に鉾を磨くより外致し方はないと感ずる...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...九日の大風雨には一歩も外へ出づべくあらぬにかてて加へて我室内を炊事場と為せしことなれば煙を避けんにも致し方なくただ室の隅に小さくなりて伏し居るに無遠慮なる烟(けむり)は眼ともいはず鼻ともいはず侵入し来るに堪へ難くて毛布打ち被り一分の隙(すき)もあらせじとするを猶(なお)もいづこよりか烟は顔を襲(おそ)ふて眼には涙の絶ゆるひまもなし...
正岡子規 「従軍紀事」
...甲の字と乙の字と取り違へたる場合は致し方なけれど或る字の画を誤りたる場合はこれを印刷に附する時は自(おのずか)ら正しき活字に直る故印刷物には誤字少き訳なり...
正岡子規 「墨汁一滴」
...――でも……そう云う御都合なら致し方もございませんけれど...
宮本百合子 「或る日」
...この八十幾歳の好々爺が心から好きになってしまったのだから致し方がない...
夢野久作 「近世快人伝」
...『各の今度の致し方...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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