...吾人が吾人の標準に從つて「讀まざる人」を決定することは決して天帝の仁慈を妨ぐる結果には立至らない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...どんな人にも至らない所があります...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「珊瑚」
...那須野の黒羽(くろばね)の向うにある雲巌寺(うんがんじ)なども世の塵の至らない別天地だと思ひます...
田山録弥 「談片」
...即ち何かそれだけ不完全な至らない低度の知識のことではないのである...
戸坂潤 「科学論」
...一切の衆生は専門家の下に立つ極めて至らない不完全者に過ぎなくなる...
戸坂潤 「現代科学教育論」
...どこか至らない処があったのであろう...
豊島与志雄 「性格批判の問題」
...こういうことにしてしまったのは自分が至らないからだと...
中里介山 「大菩薩峠」
...この人を囚(とら)えて窒息せしむるに至らないまでも...
中里介山 「大菩薩峠」
...頭のそこに至らない人が...
南部修太郎 「氣質と文章」
...その正体をつかむまでに至らない...
林芙美子 「新版 放浪記」
...Bのは何故か仕上げまでに至らないうちに中止したものらしく素地の皮膚に般若の面の輪廓だけが八分通り型どられてゐた...
牧野信一 「雪景色」
...お見舞に……お見舞に伺いました……どうか……どうか昔の私の至らないことは……」耳許へ口押しあててこういった...
正岡容 「小説 圓朝」
...それが現実の罪悪に至らないときは確かに有力なものであることを認めても...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...理性の力によって物事の真偽を識別するまでに至らないのであるが...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...泗水(しすい)の流れはまだ凍るほどにも至らないが...
吉川英治 「三国志」
...われらの指揮の至らないためにもありますが...
吉川英治 「三国志」
...今もって実現に至らないでいるのは...
吉川英治 「新書太閤記」
...確報をつかむに至らないのである...
吉川英治 「新書太閤記」
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