...短くはあるが類のないほど肉感的な手足の指の先細(さきぼそ)な所に利点を見せていた...
有島武郎 「或る女」
...空想の中を水車をまわす流れのように奔流する混乱した肉感的な幻影の流れと...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...へんに肉感的な微苦笑(びくしょう)が...
田中英光 「オリンポスの果実」
...ほんとの光子さんはこの神々(こうごう)しさの上にちょっと肉感的なとこあるねんけど...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...肉感的な肉体だけしか頭に浮ばなかった...
豊島与志雄 「子を奪う」
...肉感的な受口の下唇などを...
豊島与志雄 「死の前後」
...感傷的な肉感的なしかも怠惰な芸術...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...或る気ぜわしない不安な呼吸に肉感的な波動をなしている...
豊島与志雄 「春の幻」
...クーストーが彫刻したかと思われるようで真ん中にモスリンを透かして肉感的なくぼみが見えている両の肩...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...肉感的な若々しい聲が快く顫へて...
中島敦 「かめれおん日記」
...そしてまた肉感的な濃密さがいい...
中原中也 「感想」
...妙に肉感的なしなやかさがあって何がなし...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...少し肉感的な血色の良い頬や...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...妙に肉感的な女で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...燃えるばかり肉感的な情熱で――その少年期の...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「幸福への意志」
...何物かを触感しようとする肉感的な唇――男性の夜半に眼覚めて攪乱(かくらん)されて眠れず突然現れた思想を追求しようとするいたましい人間の姿...
吉行エイスケ 「バルザックの寝巻姿」
...むしろひそやかにして強い肉感的な表情がある...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...そこには多分にエキゾティックな肉感的な感じを混入し...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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