...被害民たちは簗(やな)に捕えられた魚同然である...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...味稲(ウマシネ)と云う者の簗に留る...
高木敏雄 「比較神話学」
...簗(やな)見廻(みまわ)つて口笛吹くや高嶺晴(たかねばれ)大正六年六月十日 発行所例会...
高浜虚子 「五百句」
...礎(いしずえ)の下の豆菊這(は)ひ出でて崩簗(くずれやな)水徒(いたず)らに激しをり十月二十八日 丸之内倶楽部俳句会...
高浜虚子 「六百句」
...「簗(やな)から嘉助が...
橘外男 「仁王門」
...淵のしもての浅瀬(あさせ)に簗(やな)をはりました...
豊島与志雄 「山の別荘の少年」
...蓼圃の兩氏と揖斐川の上流に鮎簗を見る揖斐川は鮎の名どころ揖斐人の大簗かけて秋の瀬に待つ揖斐川の簗落つる水はたぎつ瀬ととゞろに碎け川の瀬に落つ十九日...
長塚節 「長塚節歌集 中」
......
長塚節 「長塚節歌集 中」
...簗(やな)をつくってかいぼりするよりほかないようね」水はせいぜい膝がしらぐらいの深さしかないが...
久生十蘭 「キャラコさん」
...その岩と岩との間を簗(やな)でふさいでゆけば...
久生十蘭 「キャラコさん」
...たった一匹しか簗(やな)へはいってこなかったもんですから...
久生十蘭 「キャラコさん」
......
前田普羅 「普羅句集」
...簗(やな)などに便利な場所を意味しているらしい...
柳田國男 「地名の研究」
...簗にかかる鮎を手網ですくうように...
山本周五郎 「若き日の摂津守」
...ゆうべも寝た河原の簗小屋(やなごや)の内で長嘆していた...
吉川英治 「私本太平記」
...簗舟(やなぶね)であろう...
吉川英治 「新書太閤記」
...急に夕方かけて其処から二里の余もある野口の簗というへ自動車を走らす事になった...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...時雨降る野口の簗の小屋に籠り落ち来る鮎を待てばさびしきたそがれの小暗き闇に時雨降り簗にしらじら落つる鮎おほし簗の簀の古りてあやふしわがあたり鮎しらじらととび跳りつつかき撓み白う光りて流れ落つる浪より飛びて跳ぬる鮎これおほきなる鯉落ちたりとおらび寄る時雨降るなかの簗の篝火翌朝は三人に別れて雨の中を船津町へ向った...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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