...お常は突き出すやうに不恰好に其風呂敷包を抱へて眞赤な顏をして三藏に目禮した...
高濱虚子 「俳諧師」
...細君は最前食ひかけの燒芋を新聞紙に乘せたまゝ持つて來て「塀和さんも梅ちやんも食べないの?」と言ひながら一本長いのを三藏に突き出す...
高濱虚子 「俳諧師」
...……また橇が行き、ヴァニカが笑い、お馬鹿さんのアクーリカが毛皮外套の前をあけて、足を突き出す...
チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「グーセフ」
...掛声もろとも突き出すまねをしてから取ったと言います...
知里真志保 「アイヌ宗教成立の史的背景」
...暴(あば)れこもうとするのを突き出すのさ...
徳田秋声 「仮装人物」
...刀を突き出すかと思うと...
直木三十五 「南国太平記」
...自分の前へ槍を突き出すのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...「エエしまった!」米友の突き出す槍を兵馬は下からすくうて撥(は)ね返してしまったらしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...そこは大川へ突き出すやうに花火見物の棧敷(さじき)ができてゐて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...武士は突き出すやうに斬り...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あつしが默つて十手を突き出すと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...われ等の前に棒に縛りつけた肉を突き出す人とを...
葉山嘉樹 「工場の窓より」
...餌を突き出すと、驚いて止り木から滑り落ちた...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...突き出すようにした顔――その浅黒い...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...「親分、おひとつ――」と、お初は、猪口を突き出す...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...折々手を隠しから出さずに肘を前の方へ突き出すのである...
シュミットボン Willhelm Schmidt-Bonn 森鴎外訳 「鴉」
...問注所(もんちゅうじょ)へ突き出す定めになっておる...
吉川英治 「新書太閤記」
...いるものなら突き出す...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索