...空しく東西の古文書(こもんじょ)を渉猟(しょうりょう)していた...
芥川龍之介 「さまよえる猶太人」
...然し控處にはまだ空しく歸りかねて殘つた者がある...
石川啄木 「雲は天才である」
...誰の竿ももう大分永い間空しく動いてゐる...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...空しくその走りくらましたあとについて急いでみると...
中里介山 「大菩薩峠」
...空しく流離の中に失われた青春の埋合せの為に...
中島敦 「盈虚」
...「えっ」空しく冷たい自分の家の中を覗いて...
野村胡堂 「十字架観音」
...東海坊の十本の指が碧血(へきけつ)に染(まみ)れる努力も空しく...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...学生は空しく自問自答していた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...空(むな)しく生きて空しく死ぬるのに比べて見れば...
ホフマンスタアル Hugo von Hofmannsthal 森鴎外訳 「痴人と死と」
...私は秦からの報告を空しく待つてゐた...
堀辰雄 「水族館」
...集ったものも空しくその半分は町の端(はず)れの辻堂にお棄置きになるのでございます...
室生犀星 「あじゃり」
...私達は時代の恵みとしてそれを空しくしてはならない...
柳宗悦 「雑器の美」
...この恩寵を空しくしていいであろうか...
柳宗悦 「民藝四十年」
...眼にした光景の総てが空しく見え...
横光利一 「旅愁」
...この鎌倉へ来ても空しくおるうち...
吉川英治 「私本太平記」
...空しく逃げ降りてくる奴があるか...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...空しく待っていられようか...
吉川英治 「源頼朝」
...私は空しく二人の酔ぶりを見て居る様なことになった...
若山牧水 「青年僧と叡山の老爺」
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