...倉地に対する情念にもどこか肉から精神に移ろうとする傾きができて来るのを感じた...
有島武郎 「或る女」
...祖国襲撃に移ろうというその直前に...
海野十三 「空襲葬送曲」
...関係者の訊問に移ろう」長谷戸検事がいい出した...
海野十三 「地獄の使者」
...この間に議会では前期以来もち越しの鉄道公債法案と買収法案に対して質問と討論三日間に亘りついで版権法案に移ろうとして場内は大混乱に陥って退場を命ぜられるもの六名...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...お風呂場の屋根に燃え移ろうとするところであった...
太宰治 「斜陽」
...中途は端折って直ちに結論に移ろう...
辰野隆 「二人のセルヴィヤ人」
...しきりに私へ乗り移ろうとし初めた...
豊島与志雄 「都会の幽気」
...四年前戊午の年大久保の家を売払って築地の路地に引移ろうとしたのは丁度落葉の最も多い十二月であった...
永井荷風 「写況雑記」
...琵琶をやめていっそ三味線に移ろうかと...
中里介山 「大菩薩峠」
...ようやく話題の中心に移ろうとする時でありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...そっちへ移ろうと思うの」石倉は怒った犬のような眼つきになった...
久生十蘭 「肌色の月」
...詰(つま)る処は最初私共が蘭学を棄(す)てゝ英学に移ろうとするときに...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...誰もボウトへ乗り移ろうとはしなかった...
牧逸馬 「運命のSOS」
...このイワヂシャの花はその色が紫でいわゆる移ろう色であるから...
牧野富太郎 「植物記」
...私はここよりもそこから遠いところへ移ろうとは考えないから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...しかしいざ起(た)って行動に移ろうとすれば...
山本周五郎 「新潮記」
...当所におられますか」「荒壁なりと塗り上がったらすぐこの地から姫路へ移ろう...
吉川英治 「黒田如水」
...葛西(かさい)ヶ谷(やつ)の東勝寺へ移ろうぞ」高時は...
吉川英治 「私本太平記」
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