...坊城が知らぬ間に一尺ばかりスキーが浮いたといって得意になっている...
板倉勝宣 「五色温泉スキー日記」
...私は知らぬ間に秀ちゃんの手を掴んでいた...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...人間の病毒が知らぬ間にその人の全身を犯しているように...
大隈重信 「文明史の教訓」
...それが知らぬ間にひどくよごれてねずみ色になっているのを先生が気にしていた...
寺田寅彦 「俳諧瑣談」
...立坑といわず横坑といわず廃坑といわず知らぬ間に水が廻って...
徳冨蘆花 「謀叛論(草稿)」
...知らぬ間にいつか死に近づくならば...
夏目漱石 「思い出す事など」
...恐らく嫂の態度が知らぬ間に自分に乗り移っていたものだろう...
夏目漱石 「行人」
...知らぬ間に夢の中へ譲り渡す方が趣があると思ったからである...
夏目漱石 「それから」
...知らぬ間に私共の想像世界は展開し...
野口米次郎 「能楽論」
...萬兵衞の知らぬ間にあの鍵の型を取つたのだよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何んだかそれはいま知らぬ間に私の万年筆からはねたインクの汚点(しみ)かなんかで...
堀辰雄 「美しい村」
...今朝も、そこへ行きがけに、まだ釘づけになつてゐる教會の前を通つたら、私の知らぬ間に、眞つ白な花を咲かしてゐる、大きな木が二三本あるのに始めて氣がついた...
堀辰雄 「手紙」
...その白いスウェタア姿の青年も彼女の知らぬ間に療養所から姿を消してしまった事を知ったとき...
堀辰雄 「菜穂子」
...其処の門柱には彼の知らぬ間に...
牧野信一 「円卓子での話」
...知らぬ間に彼に對して十分の信頼を置きかけてゐました...
水野仙子 「道」
...うれしいのです自分でも知らぬ間に...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...それをある一夜家人の知らぬ間に...
柳田国男 「年中行事覚書」
...舟は知らぬ間に砂利場(じゃりば)の岸を離れて...
吉川英治 「江戸三国志」
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