...しかしいつか知らず識らず芸術的衝動に支配される熊(くま)さんや八(はち)さんは亡びないね...
芥川龍之介 「続野人生計事」
...知らず識らず造り出した幻ではなかつたのでございませうか? わたしは未(いまだ)にどうかすると...
芥川龍之介 「雛」
...知らず識らずその色彩を以て自然を上塗りしてゐたのだ...
有島武郎 「描かれた花」
...その曲は知らず識らず我唇より洩れて歌聲となりぬ...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...近代の都市生活者の九十九パーセントまでが知らず識らずの間に罹(かか)っているといわれる強迫観念症(きょうはくかんねんしょう)の仕業(しわざ)にちがいないのだ...
海野十三 「西湖の屍人」
...知らず識らずのうちにいつか日々の入浴を享楽すべく習慣づけられてしまったのであったが...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...――私は近来あまりに放漫だつた、知らず識らず、若い連中の仲間にまじつて、年甲斐もなく浮れ騒いだ、省みて汗するばかりである、私は自戒自粛して、正しい私に立ちかへらなければならない...
種田山頭火 「其中日記」
...我國では、國立癩療院その他、復生病院の如き篤志家によつてなつた病院もあつて、多くの患者達を收容せられてゐるが、それは我國全患者の幾割であつて、殘る多くのこの病人は、聞くも氣の毒な慘めな不合理の生活をすることにより、知らず識らずに、この恐るべき病毒は擴がつてゆくのである...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...いつのまにか知らず識らずに...
豊島与志雄 「叔父」
...知らず識らずいつのまにか考えついたことだった...
豊島与志雄 「黒点」
...彼は知らず識らず綾子の面影を心に浮べていた...
豊島与志雄 「人間繁栄」
...知らず識らず隆吉に対して更に冷淡になっていった...
豊島与志雄 「反抗」
...そして知らず識らず私達は大胆になり...
豊島与志雄 「微笑」
...知らず識らず手がかかりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...「全治する人もあるのでしょうか」と知らず識らずの中に哀願的にすらなって来るのを...
北條民雄 「いのちの初夜」
...あんなところから知らず識らずこの俺を軽蔑する程度が強まつたのかも知れない――...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...私だつて知らず識らず多少虚飾をしてゐる...
森林太郎 「混沌」
...知らず識らずに質も違って来るのを感じた...
横光利一 「旅愁」
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