...その曲は知らず識らず我唇より洩れて歌聲となりぬ...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...知らず識らずの間に有知有識の境に誘入するを要するなり...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...我(が)に大小を別(わか)つのは既に考へ方が淺薄だ! 積極的――それも却つて消極的なのを知らないのだ!」知らず識らず自問自答になつて來た義雄の長談議を...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...知らず識らず震慄(しんりつ)して且つ一身は萎靡(なえ)るが如きを覚えたり...
関寛 「関牧塲創業記事」
...三人の姉妹の振るハンケチを見て三藏も亦知らず識らず帽子を振る...
高濱虚子 「俳諧師」
...知らず識らず彼女を憐れむ心にもならうからである...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...――私は近来あまりに放漫だつた、知らず識らず、若い連中の仲間にまじつて、年甲斐もなく浮れ騒いだ、省みて汗するばかりである、私は自戒自粛して、正しい私に立ちかへらなければならない...
種田山頭火 「其中日記」
...知らず識らずに病毒がひろがつて居る...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...知らず識らずのうちに...
豊島与志雄 「反抗」
...自分が知らず識らず縋りついていった唯一の慰安だった...
豊島与志雄 「反抗」
...皆知らず識らずに歩廊の端に歩み寄って...
豊島与志雄 「微笑」
...米友も知らず識らず釣込まれ...
中里介山 「大菩薩峠」
...その時はじめてその女と自分とがいつか知らず識らずの裡に暖爐の方へ背中を丸めるやうにして互に身をよせてゐるのに氣がついた位だつた...
堀辰雄 「生者と死者」
...むしろ知らず識らずそういうことになっていたのである...
三木清 「読書遍歴」
...知らず識らずの間に出て來るのを防ぐためです...
水野仙子 「道」
...知らず識らず私はほほ笑むやうな気になり...
室生犀星 「笛と太鼓」
...知らず識らずのうちに菅原の家の前に立っていた...
矢田津世子 「凍雲」
...彼女の考へは知らず識らず...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
便利!手書き漢字入力検索