...知らず識らずその色彩を以て自然を上塗りしてゐたのだ...
有島武郎 「描かれた花」
...知らず識らず勝負の回數を夢中で重ねて行き...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...我(が)に大小を別(わか)つのは既に考へ方が淺薄だ! 積極的――それも却つて消極的なのを知らないのだ!」知らず識らず自問自答になつて來た義雄の長談議を...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...近代の都市生活者の九十九パーセントまでが知らず識らずの間に罹(かか)っているといわれる強迫観念症(きょうはくかんねんしょう)の仕業(しわざ)にちがいないのだ...
海野十三 「西湖の屍人」
...三人の姉妹の振るハンケチを見て三藏も亦知らず識らず帽子を振る...
高濱虚子 「俳諧師」
...知らず識らずに印度の知識を注入されて...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...知らず識らずブリ返して了ったのである...
谷崎潤一郎 「恐怖」
...先生方や諸先輩の研究に対する熱心な態度を日常眼(ま)のあたりに見ることによって知らず識らずに受けた実例の教訓が何といっても最大な影響をわれわれ学生に与えた...
寺田寅彦 「科学に志す人へ」
...然し彼は知らず識らずに叔父の方へ注意を引かれた...
豊島与志雄 「恩人」
...知らず識らず眼を外らした...
豊島与志雄 「小説中の女」
...彼は知らず識らず綾子の面影を心に浮べていた...
豊島与志雄 「人間繁栄」
...私は知らず識らずに或る野寺のうしろに当る墓地へ出た...
中沢臨川 「愛は、力は土より」
...舅姑と嫁との間も知らず識らず和合して...
福沢諭吉 「新女大学」
...知らず識らず墜(お)ち込んで行くのではあるまいか...
北條民雄 「いのちの初夜」
...それらの過去の經驗の一切を知らず識らずの裡に再び思ひ出してゐたのだ...
堀辰雄 「プルウスト雜記」
...花時には御客の昆虫が来集し花中の蜜を吸いつつ知らず識らず雄蕊の花粉を花柱頂の柱頭に着け媒助してくれるので...
牧野富太郎 「植物記」
...知らず識らずに質も違って来るのを感じた...
横光利一 「旅愁」
...知らず識らず茶は生活の中へはいっていた...
吉川英治 「新書太閤記」
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