...知らず識らず微笑が唇に浮んで来る...
芥川龍之介 「袈裟と盛遠」
...知らず識らずの間に君自身の品性を墮落させたり...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...知らず識らずその色彩を以て自然を上塗りしてゐたのだ...
有島武郎 「描かれた花」
...そして知らず識らず体じゅうが熱くなった...
有島武郎 「星座」
...さうしてその悲しむべき横着によつて知らず識らずの間に予の享けた損失は...
石川啄木 「郁雨に與ふ」
...しかるに店員の俸給は一定されて居りますから、菓子屋の主人は夏時、半日程の仕事もない日には、知らず識らず、顔に暗い影の容すこともあり勝ちであります...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...知らず識らずの間にものに膠着して新趨向に取り残されはしないだらうかといふ事である...
高浜虚子 「進むべき俳句の道」
...三人の姉妹の振るハンケチを見て三藏も亦知らず識らず帽子を振る...
高濱虚子 「俳諧師」
...その時は周囲が知らず識らずの間(あいだ)に浮かれ出してしまう...
ダウィット Jacob Julius David 森鴎外訳 「世界漫遊」
...知らず識らずに病毒がひろがつて居る...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...人民は知らず識らず...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...そして人は知らず識らずに...
豊島与志雄 「秋の気魄」
...知らず識らず眼を外らした...
豊島与志雄 「小説中の女」
...いつか知らず識らずの裡にその人の不爲合せだつた事に氣がつき...
堀辰雄 「生者と死者」
...それも彼の怜悧な本能が知らず識らずのうちに見付け出したもので...
水野仙子 「醉ひたる商人」
...知らず識らず私はほほ笑むやうな気になり...
室生犀星 「笛と太鼓」
...知らず識らずこの誤りにおちております...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...知らず識らずそれも習慣となると...
横光利一 「旅愁」
便利!手書き漢字入力検索