...知らず識らず造り出した幻ではなかつたのでございませうか? わたしは未(いまだ)にどうかすると...
芥川龍之介 「雛」
...知らず識らずその色彩を以て自然を上塗りしてゐたのだ...
有島武郎 「描かれた花」
...その曲は知らず識らず我唇より洩れて歌聲となりぬ...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...即ち神様の霊感の下に知らず識らずの間にその仕事をしただけなのだ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...人をして知らず識らず風雅の思想に富ましむ...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...それは知らず識らずのうちにボル派の影響が俺たちの仲間に浸透していることを物語っている...
高見順 「いやな感じ」
...知らず識らず彼女を憐れむ心にもならうからである...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...さるにても湖畔に立つて見渡す所何といふ破屋! しかもコントラストに何といふ湖水の風致! いろ/\の思ひで知らず識らず垂れた頭をふりあぐると...
土井晩翠 「野口英世博士の生家を訪ひて」
...人民は知らず識らず...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...彼は知らず識らず綾子の面影を心に浮べていた...
豊島与志雄 「人間繁栄」
...知らず識らず彼女の方へ引き寄せられた...
豊島与志雄 「一つの愛情」
...知らず識らず、神尾と、お絹とは、この鎧櫃の番人にされてしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...知らず識らずそのどちらへも同情を持ってしまうのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...私は知らず識らずに或る野寺のうしろに当る墓地へ出た...
中沢臨川 「愛は、力は土より」
...あんなところから知らず識らずこの俺を軽蔑する程度が強まつたのかも知れない――...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...それも彼の怜悧な本能が知らず識らずのうちに見付け出したもので...
水野仙子 「醉ひたる商人」
...知らず識らずのうちに菅原の家の前に立っていた...
矢田津世子 「凍雲」
...知らず識らずそれも習慣となると...
横光利一 「旅愁」
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