...しかしいつか知らず識らず芸術的衝動に支配される熊(くま)さんや八(はち)さんは亡びないね...
芥川龍之介 「続野人生計事」
...富と云うものは知らず識らず人間の魂を堕落させて了うからね...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...あの妹を知らず識らず身贔屓(みびいき)して実際以上に買い被(かぶ)っていたかも知れないが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...此の機に乗じて筑摩家を亡ぼしてやろうと云う冷静な打算と胆略とが知らず識らず働き出したことになるのである...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...いつとなく知らず識らずの間に安易と放恣とに堕在する...
種田山頭火 「其中日記」
...我國では、國立癩療院その他、復生病院の如き篤志家によつてなつた病院もあつて、多くの患者達を收容せられてゐるが、それは我國全患者の幾割であつて、殘る多くのこの病人は、聞くも氣の毒な慘めな不合理の生活をすることにより、知らず識らずに、この恐るべき病毒は擴がつてゆくのである...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...知らず識らずに稀薄にしがちとなるだろう...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...知らず識らず杯の数を重ねた...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...知らず識らず皆の気分が...
豊島与志雄 「電車停留場」
...其奴らが嘗てした同じ行いを知らず識らずに繰返し...
豊島与志雄 「都会の幽気」
...知らず識らず酒杯の方へ引きつけられていった...
豊島与志雄 「反抗」
...知らず識らず胸に企(たくら)んでいたことが...
豊島与志雄 「反抗」
...知らず識らず彼女の方へ引き寄せられた...
豊島与志雄 「一つの愛情」
...私は知らず識らず足を早めました...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「巴里の手紙」
...われらは必ずしも「知らず識らず」的の緩手段をのみ取らんとは思はず...
正岡子規 「人々に答ふ」
...彼等は知らず識らずこの判断によつて先入見を抱かさせられ...
三木清 「ゲーテに於ける自然と歴史」
...それも彼の怜悧な本能が知らず識らずのうちに見付け出したもので...
水野仙子 「醉ひたる商人」
...知らず識らず眦(まなじり)から涙がながれて止まらない...
吉川英治 「黒田如水」
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