...しかしいつか知らず識らず芸術的衝動に支配される熊(くま)さんや八(はち)さんは亡びないね...
芥川龍之介 「続野人生計事」
...知らず識らず造り出した幻ではなかつたのでございませうか? わたしは未(いまだ)にどうかすると...
芥川龍之介 「雛」
...知らず識らずその色彩を以て自然を上塗りしてゐたのだ...
有島武郎 「描かれた花」
...知らず識らずの間に共和自由の思想を養成し...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...近代の都市生活者の九十九パーセントまでが知らず識らずの間に罹(かか)っているといわれる強迫観念症(きょうはくかんねんしょう)の仕業(しわざ)にちがいないのだ...
海野十三 「西湖の屍人」
...それは知らず識らずのうちにボル派の影響が俺たちの仲間に浸透していることを物語っている...
高見順 「いやな感じ」
...知らず識らずに昂奮して来...
武田麟太郎 「日本三文オペラ」
...知らず識らず涙が頬(ほお)を濡(ぬ)らしていた...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...私は知らず識らず自堕落になつてゐた...
種田山頭火 「其中日記」
...先生方や諸先輩の研究に対する熱心な態度を日常眼(ま)のあたりに見ることによって知らず識らずに受けた実例の教訓が何といっても最大な影響をわれわれ学生に与えた...
寺田寅彦 「科学に志す人へ」
...然し彼は知らず識らずに叔父の方へ注意を引かれた...
豊島与志雄 「恩人」
...そして知らず識らず私達は大胆になり...
豊島与志雄 「微笑」
...彼は知らず識らず竜子の腹部に眼をつけていた...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...私は知らず識らずに或る野寺のうしろに当る墓地へ出た...
中沢臨川 「愛は、力は土より」
...それらの過去の經驗の一切を知らず識らずの裡に再び思ひ出してゐたのだ...
堀辰雄 「プルウスト雜記」
...花時には御客の昆虫が来集し花中の蜜を吸いつつ知らず識らず雄蕊の花粉を花柱頂の柱頭に着け媒助してくれるので...
牧野富太郎 「植物記」
...彼等は知らず識らずこの判断によつて先入見を抱かさせられ...
三木清 「ゲーテに於ける自然と歴史」
...むしろ知らず識らずそういうことになっていたのである...
三木清 「読書遍歴」
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