...その柄(がら)の細かい所には里の母の着古しというような香(にお)いがした...
有島武郎 「或る女」
...十年着古したホームスパンに変る...
石川欣一 「可愛い山」
...衣服は着古したものではあるが清潔で...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...着古しの単物のままで出掛けて行つた...
薄田泣菫 「茶話」
...袴は十年来着古した物だつた...
薄田泣菫 「茶話」
...着古した禿げちよろけの外套を脱いで...
薄田泣菫 「中宮寺の春」
...着古した着物やそのほかのがらくたをあつめ...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...着古した緑色の服を着て...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...丑尾さんが着古した袖無(そでなし)のちゃんちゃんを着て...
寺田寅彦 「重兵衛さんの一家」
...さんざんに着古した制服を着ていた...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...着古しの国民服が乞食のやうに見窄しいのも...
原民喜 「飢ゑ」
...妻が私の着古しのシャツなどを与えると...
原民喜 「翳」
...……十数年も着古した薄いオーバーのポケツトに両手を突込んで...
原民喜 「死と愛と孤独」
...この着古して紙のやうに脆くなつたオーバー...
原民喜 「火の子供」
...まだ着古したというほどでもないのに...
久生十蘭 「魔都」
...大分着古した黒のトウィイドに黒いソフトを深く被って...
牧逸馬 「土から手が」
...長屋中の女房が長雨に着古したつぎはぎの汚れた襦袢や腰巻や...
正岡容 「根津遊草」
...やや着古しの紫ぞ濃き元禄模様の普段着のまま...
正岡容 「寄席」
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