...いち早く目くばせをし合ったのはボーイ仲間で...
有島武郎 「或る女」
...葉子は鋭く倉地に目くばせしたが...
有島武郎 「或る女」
...「あれだからな、仕方をしたり、目くばせしたり、ひたすら、自重謹厳を強要するものだから、止(や)むことを得ず、口を箝(かん)した...
泉鏡花 「薄紅梅」
...ケネデー軍曹に目くばせをすると椅子から立ちあがって...
海野十三 「怪星ガン」
...そばにいた河野にそれとなく目くばせをしました...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...ふたりの運送屋の男に目くばせすると...
江戸川乱歩 「超人ニコラ」
...けれども同情の無い口吻で言つて春三郎に目くばせした...
高濱虚子 「續俳諧師」
...」王はひどく困って急に嬰寧に目くばせした...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「嬰寧」
...そっと目くばせしました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...芳夫に味な目くばせをしてから...
久生十蘭 「あなたも私も」
...常日頃(つねひごろ)危険に立ち向かう心得のある勇敢な男たちがお互い不安気に目くばせした...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「見えざる力」
...あの時目くばせをしてそばへ呼んでくだすったら...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...四郎左衛門に目くばせして云つた...
森鴎外 「津下四郎左衛門」
...龍太郎(りゅうたろう)はそッと膝(ひざ)をついて目くばせをしたが...
吉川英治 「神州天馬侠」
...忍剣(にんけん)と目くばせしながら...
吉川英治 「神州天馬侠」
...伊部熊蔵(いのべくまぞう)は雁六(がんろく)に目くばせをして...
吉川英治 「神州天馬侠」
...『それやあそうだが……』『してみれば、山越えして、奥多摩(おくたま)から武州(ぶしゅう)へ出るなんて、嶮岨(けんそ)な道をとって、しかも廻り道したりするよりは、江戸表へ寄らずに、真っ直に京都へ出てしまおうじゃないか』『中山道(なかせんどう)を取ってか』『いや、そう行くのは、誰も考える所だから、裾野へ出て五湖を横ぎり、東海道へ突き抜ける』『ウム、だが何っ方(ち)にしても、もういちど、市之丞(いちのじょう)様に会った上で――』と、云いかけた時、一方の浪人が、『叱(しっ)……』と、目くばせして、膝(ひざ)を小突(こづ)いた手が、衝立の陰にちらと見えた...
吉川英治 「夏虫行燈」
...そなたからわけを話して、その後に、例の……船の便乗(びんじょう)、頼んでみられてはどうか」「私も、そう思っておりました」「是非に、承諾して貰うように」「はい、ひとつ、話してみることに致しましょう」「うむ」と、目くばせ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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