...嬢様も好い加減に思切らせないと這般（かう）いふ奴が瘋癲（きちがひ）になるのだと思召して... 
内田魯庵 「犬物語」
...自己が先祖から伝えられた宝を石の上で叩き壊してしまって、自己の家に火をつけて焼き、最後にその中へ飛込で死ぬという発狂、瘋癲の境遇だ...
大隈重信 「大戦乱後の国際平和」
...又（また）誰（ゝれ）とて這麼瘋癲者（こんなふうてんしや）の室（へや）に參觀（さんくわん）に來（く）る者（もの）も無（な）いから...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...何（いづ）れが瘋癲者（ふうてんしや）だらうか...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...彼（かれ）は人（ひと）が自分（じぶん）を窘逐（きんちく）すると云（い）うことを苦（く）にしている瘋癲患者（ふうてんかんじゃ）...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...瘋癲病院（ふうてんびょういん）の全廃（ぜんぱい）された暁（あかつき）には...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...俺は瘋癲病院へ退き込もうかな...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...同地の瘋癲（ふうてん）病院で調査した処によれば...
寺田寅彦 「話の種」
...瘋癲病院へ送りつけられるくらいなものだが...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...筋頭（きんとう）に瘋味（ふうみ）あるをいかんせん...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...半瘋狂（ふうきょう）で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...軍部はあの方に対立していよいよ一億玉砕の瘋癲命令を出したのではないかとあたしは邪推した...
久生十蘭 「だいこん」
...おれを瘋癲病院へ入れようと思ひつかないうちで仕合せだつた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...瘋癲病院の赤煉瓦の土塀に沿ツて富士前に出た...
三島霜川 「昔の女」
...左近頼該を瘋癲人だという評判はかなりまえからあった...
山本周五郎 「新潮記」
...兵部さま御瘋疾のあとより...
山本周五郎 「泥棒と若殿」
...又は瘋癲（ふうてん）...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...産みの子の瘋癲（ふうてん）には人いちばい苦労をしてきた母だけに...
吉川英治 「私本太平記」
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