...我は半ば病めるが如き苦悶を覺えき...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...我病める日の外には殆んど一日も休らふ事能(あた)はざりき...
石川啄木 「閑天地」
...余は慈母がその子の病める時に言語(ことば)に礼を失し易く...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...今突然それを放棄しなければならぬとは一體何を吾々がしたのか?10.不撓不屈の精神は常に病める虚弱な肉體の中に宿つてゐたといふことは統計的事實である...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...……・柿落葉そのままそれでよい日向・米をとぐ手のひえ/″\と秋・熟柿もぐとて空のふかさよ・病めるからだをよこたへて風を聴くなり・秋もをはりの日だまりのてふてふとわたくし十月廿一日晴れて明るく...
種田山頭火 「其中日記」
...病める樹明君を見舞ふことも出来なかつた...
種田山頭火 「其中日記」
...松風さびしき湘南(しょうなん)の別墅(べっしょ)に病める人の面影(おもかげ)は...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...それとともに彼の病める魂からは...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それは実に病める魂の暗澹(あんたん)たる彷徨(ほうこう)である...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...哀れな病める蚕は...
中島敦 「光と風と夢」
...病める者死せる者老いたる者貧しき者はわれわれも毎日眼にしておりながら...
新渡戸稲造 「自警録」
...素足して踏まんと云ひぬ病める人白き落花の夕暮の庭早く盛りを過ぎた桜が夕暮の庭を白く見せる程吹雪のやうに散つて居る...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...それに見入つてゐるごとく思はれるO夫人の病める眼とを...
堀辰雄 「窓」
...病める心のことであって...
三木清 「語られざる哲学」
...病めるものには花...
室生犀星 「愛の詩集」
...それは病める蘭軒の情懐を窺ふに足るものと...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...推するに病める蘭軒は数(しば/\)駕を命ずることの煩はしきに堪へなかつたのであらう...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...流行(はやり)の風(かぜ)に三人(みたり)まで我児(わがこ)ぞ病める...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
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