...その好意に甘えることになった...
井上貞治郎 「私の履歴書」
...ちっとも減りゃしない」不二子さんは甘える様に云い捨てて...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...今からでは東京にお帰りになるのも大変なんですから」夏子は甘える様に云って...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...炬燵から出てくださいよ」と甘えるように言うかと思うと...
鈴木三重吉 「千鳥」
...2.貴下の御待が眞心の發露でありますだけに尚更深い感謝の思ひを以つて吾々は御厚意に甘える次第です...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...ひとに甘えることができなくなって...
太宰治 「女生徒」
...尼御台さまに甘えるように...
太宰治 「鉄面皮」
...―――」幼い時から母親に甘える癖がついているのが...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...就中(なかんずく)そのぱっちりした大きな眼球は、いつも生き生きとよく動いて、甘える時、いたずらをする時、物に狙(ねら)いを付ける時、どんな時でも愛くるしさを失わなかったが、一番可笑(おか)しいのは怒る時で、小さい体をしている癖に、やはり猫なみに背を円くして毛を逆立て、尻尾をピンと跳ね上げながら、脚を蹈ん張ってぐっと睨(にら)まえる恰好(かっこう)と云ったら、子供が大人の真似(まね)をしているようで、誰でもほほ笑んでしまうのであった...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...甘えるな、甘えるな――媚びるな、媚びるな――自分を甘やかすな、他人に媚びるなと自から戒める言葉である...
種田山頭火 「其中日記」
...総じて無邪気に甘えるような挙動を...
田山花袋 「田舎教師」
...笹村が家へ帰ったときお銀は甘えるように言ったが...
徳田秋声 「黴」
...このうえ甘えることはそれを涜すことなのだ...
豊島与志雄 「反抗」
...声は甘えるようだった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...幼い弟が姉に甘えるような調子がありました...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...私は怖る怖る相手の御機嫌を窺ひながら甘えるやうな調子で「ねえ」と尚も厭味たらしくニヤニヤと笑ひました...
牧野信一 「愚かな朝の話」
...甘える時のような...
吉川英治 「銀河まつり」
...私は? ……」お綱は少し甘えるように...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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