...しかし人々はこれこそこの場所が世界の主都となる瑞兆(ずいちょう)であるということを信じて疑わなかったとある...
寺田寅彦 「柿の種」
...「復興の瑞兆」が現われ始めた...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...亦これが詩人の喜んで瑞兆となすものであることも知らなかったが...
永井荷風 「申訳」
...これは何か国家的な瑞兆に違いないというので「唄う鶴の噴水」の事は急に東京の市中でやかましく評判されるようになった...
久生十蘭 「魔都」
...国家的瑞兆という三段抜きの大標題(みだし)で手の込んだ記事を書上げ...
久生十蘭 「魔都」
...このような大瑞兆の記事を掲載せぬのは実に傲慢至極なやりかたというような投書が編集部の机上に山積するようになり...
久生十蘭 「魔都」
...これは国民ひとしくお待ち受け申上げる国家的瑞兆に相違ないと竹の園生の御繁栄を慶賀し...
久生十蘭 「魔都」
...「瑞兆祝賀会」の名に仮りて古今未曽有の大芝居を打つことになったのである...
久生十蘭 「魔都」
...この瑞兆の最初の発見者たる酒月園丁長に対する賞品の授与式...
久生十蘭 「魔都」
...来会者にはこの瑞兆に肖(あやか)るように洩れなく「鶴の子石鹸」を贈呈するほか...
久生十蘭 「魔都」
...それに何ぞや国家的瑞兆だと! 不敬極まる話じゃないか...
久生十蘭 「魔都」
...青銅の鶴が還宮楽を咏ずるなんてえのは確かに何かの瑞兆に違いない...
久生十蘭 「魔都」
...僕にとつて何かの瑞兆であればよい...
堀辰雄 「山日記 その一」
...いよいよ自分も一人前の芸人の仲間入りができるかの瑞兆のような...
正岡容 「小説 圓朝」
...明年姚興(ようこう)果して来り女を献ず〉すなわち白兎は色皙の別嬪が来る瑞兆(しるし)で...
南方熊楠 「十二支考」
...術士より自分が王たるべき瑞兆と聞き...
南方熊楠 「十二支考」
...瑞兆として高く買ったでなかろうか...
南方熊楠 「十二支考」
...自分たちの人為をすべて天象や瑞兆(ずいちょう)のせいにして...
吉川英治 「三国志」
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