...吼えやむと物淋しい鐘が鳴り續く...
有島武郎 「潮霧」
...その辺は物淋しい屋敷町なので...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...出て見ればやつぱり物淋しい外に...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...金魚の色ばかりを思ひ浮べても物淋しい...
鈴木三重吉 「金魚」
...「何故にかく物淋しいあじきない世の中であるか...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...肩から下は赤い物一つ止めずげそりと物淋しいのに...
高濱虚子 「俳諧師」
...東京からの避暑客などは道の遠いのとあまりにも物淋しいのとで...
橘外男 「逗子物語」
...砂ほこりが足にざら/\して何だか物淋しい...
種田山頭火 「其中日記」
...作者は一八三六年に諧謔小説「ピックウィク倶楽部」によって一躍ウォールター・スコット以後のイギリス随一の流行作家となり、以来「オリヴァー・トゥウィスト」、「ニコラス・ニックルビー」、「骨董店」、「バーナビー・ラッジ」、「マーティン・チャッズルウィット」、「ドムビー父子」、「デーヴィッド・コッパフィールド」、「物淋しい家」、「小さなドリット」等の諸大作その他の作品を発表して、既に、当時全ヨーロッパにおける最も高名な小説家の一人であり、その名声のみならず文学的手腕においても彼の高潮に達していたのであった...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...何となく物淋しい気がする...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...江戸街道であるが――この物淋しい野中の街道の...
中里介山 「大菩薩峠」
...妙に物淋しい清純(プラトニック)でさえあるものでした...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...物淋しい透視影図(ペルスペクチーフ)を描きながら消えて行くのが...
久生十蘭 「魔都」
...落ち着いた、物淋しい、人間らしい気持であった...
人見絹枝 「世界記録と私」
...パリのサン・ジェルマンの物淋しい...
平林初之輔 「ヂユパンの癖とヴァンスの癖」
...しかしそれはずつと天上に近い上の方にあるので、太陽の光線は朝の間にほんのちよつと流れ込んで来るだけで、あとは一日中陰気な、物淋しい、薄暗い部屋だ...
北條民雄 「無題※[#ローマ数字2、1-13-22]」
...その中(うち)にゆるゆると号外の内容を訳読する女の、冷やかな、物淋しい声も、少しもこの世の響きを止めていない...
夢野久作 「暗黒公使」
...こうした中にも物淋しい生命は刻々と過ぎて行きます……筆を止めて...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
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不都合が起こる 悪びれたところがない 対置させる
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