...吼えやむと物淋しい鐘が鳴り續く...
有島武郎 「潮霧」
...その辺は物淋しい屋敷町なので...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...物淋しい住いであった...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...出て見ればやつぱり物淋しい外に...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...金魚の色ばかりを思ひ浮べても物淋しい...
鈴木三重吉 「金魚」
...「何故にかく物淋しいあじきない世の中であるか...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...肩から下は赤い物一つ止めずげそりと物淋しいのに...
高濱虚子 「俳諧師」
...物淋しいところで子供の頃遊びにいった時も...
橘外男 「仁王門」
...砂ほこりが足にざら/\して何だか物淋しい...
種田山頭火 「其中日記」
...その昇る太陽はこの男よりも物淋しいものを照さなかった...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...左右は物淋しい田舎(いなか)の畑道のようなところになっているようです...
中里介山 「大菩薩峠」
...妙に物淋しい清純(プラトニック)でさえあるものでした...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...物淋しい透視影図(ペルスペクチーフ)を描きながら消えて行くのが...
久生十蘭 「魔都」
...しかしそれはずつと天上に近い上の方にあるので、太陽の光線は朝の間にほんのちよつと流れ込んで来るだけで、あとは一日中陰気な、物淋しい、薄暗い部屋だ...
北條民雄 「無題※[#ローマ数字2、1-13-22]」
...その中(うち)にゆるゆると号外の内容を訳読する女の、冷やかな、物淋しい声も、少しもこの世の響きを止めていない...
夢野久作 「暗黒公使」
...こうした中にも物淋しい生命は刻々と過ぎて行きます……筆を止めて...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...ただ、物淋しいのは、将軍様御不予(ごふよ)によってというお達しの――鳴物停止(なりものちょうじ)...
吉川英治 「江戸三国志」
...瀬戸物の音までが何か物淋しい家の空気と...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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