...ロシア帽子の運転手は物憂い調子でハンドルを切る...
大阪圭吉 「白妖」
...ふしぎの国――愛らしく、野蛮で、神話的な国土は、物憂い安逸に、彼を誘った...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...ひどく物憂い氣持に襲はれたのである...
太宰治 「お伽草紙」
...物憂い表情をうかべる...
田畑修一郎 「南方」
...睫毛(まつげ)の垂れた不活発そうな物憂い眼と...
ドイル Arthur Conan Doyle 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...物憂い灰色の空がのぞいているばかりです...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...ぬかるみの上に物憂い霧がたてこめていました...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...この物憂い筆をとっていると言えようか...
堀辰雄 「ほととぎす」
...この物憂い世界はどんなことになるやら」「あとを引くでしょうね」「いや...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...馬車は物憂い音をたてゝ辛うじて逼つて行つた...
牧野信一 「山を越えて」
...ちやうど物憂い寢ざめからさめると...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...益益物憂い低められた感情をありありと見るような気がした...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...物憂いながらわたしは気づいてゐた...
室生犀星 「故郷を辞す」
...へいぜいの鉄の物憂い調子の間にあらはれた...
室生犀星 「鉄の死」
...冬が起き上ったような物憂い寒々した腰つきが...
室生犀星 「童話」
...物憂いまで強く射したあのときの日光...
横光利一 「旅愁」
...行燈(あんどん)に灯を入れるのも物憂いので...
吉川英治 「江戸三国志」
...さだめし物憂い顔しておろう」信長は...
吉川英治 「新書太閤記」
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