...故意に表情を殺したような物々しい顔付をして玄関にうずくまって私を見上げた...
梅崎春生 「風宴」
...物々しい甲冑(かっちゅう)を着たクリスチャン五世の騎馬像――一ばんには単に馬(ヘステン)と呼ばれている――が滑稽なほどの武威をもってこの1928の向側のビルディングの窓を白眼(にら)んで...
谷譲次 「踊る地平線」
...軽井沢駅のあの何となく物々しい気分に引きかえてこの沓掛駅の野天吹曝(ふきさら)しのプラットフォームの謙虚で安易な気持がひどく嬉しかったことを思い出した...
寺田寅彦 「高原」
...乗物を三つも並べたところが物々しい...
中里介山 「大菩薩峠」
...物々しい気取りで書き納めて...
中里介山 「大菩薩峠」
...「ファッショ」「ファッショ」「ファッショ」「ファッショ」はて物々しいと見ていると...
中里介山 「大菩薩峠」
...一種物々しい感歎の叫びが漏れます...
野村胡堂 「悪魔の顔」
...物々しい忍び返しを見せて突つ立つて居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その物々しい警戒ぶりを冷やかされ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...何さま物々しいばかりの有様...
久生十蘭 「魔都」
...これは病気と呼ぶほどのものではないだけに形ばかりが飽くまでも物々しいばかりで...
牧野信一 「秋晴れの日」
...題名は物々しいが...
牧野信一 「月評」
...物々しい顔つきをして煙草ばかり喫してゐる...
牧野信一 「蝉」
...したがって天神地祇という物々しい呼びかたまでが...
柳田国男 「海上の道」
...甲軍のこの物々しい意志表示に対して...
吉川英治 「上杉謙信」
...お出合いなされ」という物々しい叫びと変った...
吉川英治 「剣難女難」
...物々しい動揺(どよ)み声(ごえ)が奥まで聞こえてきた...
吉川英治 「剣難女難」
...物々しい顕紳(けんしん)の客とは違い...
吉川英治 「私本太平記」
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