...一双の図組の中に出ている気分は、初夏のある夕べの雨上り、湿った空気の中に、軽い涼しさがさわやかに流れておるという点を出したいと思ったものですが、その爽やかさと、婦人の美しさが、互いに溶け合って、そこに一種の清い柔かい何かが醸し出されるなら、仕合せだと考えます...
上村松園 「虹と感興」
...あれにちょっと似た不思議な爽快(そうかい)感を与える声で...
高見順 「如何なる星の下に」
...パイナップルの汁のような爽快(そうかい)さが無い...
太宰治 「正義と微笑」
...身心爽快だろうな...
谷譲次 「踊る地平線」
...およそ他に比較するもののない閑寂で爽快なものである...
寺田寅彦 「五月の唯物観」
...何か颯爽(さっそう)たる風雲児が庸三にも想見されたと同時に...
徳田秋声 「仮装人物」
...豊富なザクースカを味い爽醇なウォートカに酔った...
豊島与志雄 「秦の出発」
...五月の爽(さわや)かなある夜...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...むしろ颯爽としたやうな顏つきをしていらつしやる...
堀辰雄 「「神々のへど」」
...五月の薄ら甘い朝の陽が、爽やかな感触で、さつき剃刀をあてたばかしの彼の頬にヒリヒリと、光るやうに沁みた...
牧野信一 「或る五月の朝の話」
...忽ち爽やかな楽天家に立ち戻ることが出来るのだ...
牧野信一 「歌へる日まで」
...「捨てられて了つた方がはるかに爽々しい...
牧野信一 「痴想」
...近頃(ちかごろ)になく爽快(さうくわい)だ………恰で頭の中に籠ツてゐた腐ツたガスがスツカリ拔けて了ツたやうな心地である...
三島霜川 「平民の娘」
...颯爽(さっそう)としておとなの感じだった...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...爽やかなほど明るいまっすぐな性質に恵まれていた...
山本周五郎 「日本婦道記」
...初めて見る日の光りのように爽快だった...
横光利一 「旅愁」
...一ト頃の新田十六騎の颯爽(さっそう)も...
吉川英治 「私本太平記」
...クリーニングされた空気が爽かに流れている...
蘭郁二郎 「地図にない島」
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