...無經驗、無思慮の女は、一般の俗習家等の空想界に求める理想と同樣、頼むに足らない死人同樣の戀を追うて失敗する...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...或は無思慮にも新聞記者などの問に答へて豫言の安賣りをすると云ふ事は...
橘樸 「支那を識るの途」
...一體何と云ふ無思慮な優越感を恥づかしくもなく人前にさらげ出すことであらうかと驚ろいたのである...
橘樸 「支那を識るの途」
...また唯物論の無思慮な適用であるからだ...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「青玉の十字架」
...かへつて無思慮に判斷する或る習慣から私が受取つた他の多くのものがある...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...しかもこれは無思慮とか軽率とかによるのではなく...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...激(げき)しきった二人の無思慮な口から...
徳田秋声 「あらくれ」
...けれど庸三は無思慮にもすっかり正面を切ってしまった...
徳田秋声 「仮装人物」
...放埒なまでに無思慮な原稿を見て...
戸坂潤 「読書法」
...自我の「具体化」というものを無思慮にも抽象的に敢行する場合に生じる...
戸坂潤 「日本の民衆と「日本的なるもの」」
...彼には何とも言えない無思慮の愉快感が感じられた...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...急速な無思慮な忘我的な全く本能的な悪行であり...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...今日では(将来はいざ知らず)なお男子の特長(もちろん男子にも無思慮(むしりょ)の者多きはいうまでもなけれど...
新渡戸稲造 「自警録」
...侵略と戦争の無思慮がそこまで達すると沙汰の限りである...
野上豊一郎 「パルテノン」
...軽率無思慮の生活改良の災いと謂(い)ってよいものである...
柳田国男 「木綿以前の事」
...また無思慮な若者どもが...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...論者は「母性を失う」というような言葉を無思慮に用いられるようですけれども...
与謝野晶子 「「女らしさ」とは何か」
...またオランダ人の策動を有効ならしめるようなスペイン宣教師の無思慮な行動をも訴えている...
和辻哲郎 「鎖国」
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