...肌(はだ)も濃やかだし...
江戸川乱歩 「鏡地獄」
...恋愛結婚のごとく情愛すこぶる濃やかなものとなつた...
高田保 「恋文」
...濃やかな紅の色彩が何とも言はれない...
田山録弥 「初冬の記事」
...前に遡(さかのぼ)って彼らの交情の濃やかであった筋道を思い出して話すのであった...
近松秋江 「霜凍る宵」
...二人の情交の濃やかであったことを聞けばきくほど身体に血の通いが止まる心地がしながら...
近松秋江 「霜凍る宵」
...私と礼子との濃やかな交情温室の中で...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...情愛の濃やかな女房振りです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...げにやさしくも濃やかな情緒がそこにある...
萩原朔太郎 「宿命」
...社会上流の軍官貴紳に比して却つてその情誼のほどの濃やかにも美しかつたことを立証して余りあるものであらう...
正岡容 「下谷練塀小路」
...この句の中からあの辺りの青葉若葉濃やかに匂ふ闇の夜に聳り立つ巨像の姿を...
正岡容 「大正東京錦絵」
...クマラスワミーとは友情が次第に濃やかになり...
宮本百合子 「思い出すこと」
...凝っとテーブルの一点に据えている瑛子の睫毛の濃やかな眼から...
「海流」
...きめの濃やかさというようなものを感じ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...精神のきめ濃やかな人間の美を...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...いろいろと濃やかに心づかいして下すってありがとう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...たたみこまれている味は非常に濃やかで且つ複雑で...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...母子(おやこ)の愛情は蜜より濃やかであったが...
吉川英治 「宮本武蔵」
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