...糸七も潔く受けました...
泉鏡花 「薄紅梅」
...なか/\潔く死に就いた人が羨しいと嘆いて居る...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...そのときは潔く運動をやめればよい...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...身心の潔くなるのをお待ちになつてお参りしようと三年の間...
太宰治 「右大臣実朝」
...もう一つの政所のはうは三浦氏に潔くおゆづりになつたはうが御賢明かと思ひますが...
太宰治 「右大臣実朝」
...一筋に高く潔く直く燃えつぎたるこの光栄の炬火(たいまつ)を手渡す...
太宰治 「HUMAN LOST」
...すでにしからばなんぞ潔くその最後を遂げざるや...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...近時動もすれば政黨より逃がれて一身を潔くせむとするの人あり其情諒す可きものありと雖も...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...そして、その侍が、自分の気持さえわかってくれたなら、潔く、首を渡してやってもいい、と思った...
直木三十五 「南国太平記」
...わしは、潔く、処置を受ける」と、云った時、二三人の足音がして、南玉が「放せったら」と、叫んで、格子を入ろうとした...
直木三十五 「南国太平記」
...潔く罪を作家に得た方が自分に對しても作家に對しても義務ある所爲と考へる...
夏目漱石 「「額の男」を讀む」
...自己を潔く他者の足元に投げ出し他者の言葉を受容れる空らの器となすことによつて...
波多野精一 「時と永遠」
...「潔く窓から飛び降りる代わりに...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...牧田が潔く立ちあがった...
久生十蘭 「ノア」
...雪白の祭壇の上に潔く安置された柩の裡にあどけないすべての微笑も...
宮本百合子 「悲しめる心」
...考え直し自己を訂正し誤れる論拠は潔くこれをすてることこそ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...伯夷・叔齊は仁を積み行を潔くすること此の如く...
箭内亙訳註 「國譯史記列傳」
...もつとも日本の武士も、戰に臨む時は、派手を好んだ時代があるが、それは死を飾る、潔くする、といふ爲であつて、女の贈つた物を、見よがしに身に着けて果し合つたなどといふ例は、高田の馬場の堀部安兵衞のほかにはちよつと見當らない...
吉川英治 「折々の記」
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