...用捨(ようしゃ)なく私の精神を蕩漾(とうよう)させてしまいます...
芥川龍之介 「疑惑」
...折角(せっかく)橋を渡りかけた素戔嗚の心を蕩漾(とうよう)させた...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...纜(もやい)も結ばず漾(ただよ)わせたのに...
泉鏡花 「悪獣篇」
...七日(なぬか)も漾(たゞよ)ひつゝ...
泉鏡太郎 「麻を刈る」
...流るる水に漾(ただよ)うのであろう...
泉鏡花 「海の使者」
...裳(もすそ)も畳に漾(ただよ)ったが...
泉鏡花 「婦系図」
...画房や前栽(せんざい)に漾(ただよ)う一種異様な蕭散(しょうさん)の気分に浸らなければその画を身読する事は出来ないが...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...漾人(ようじん)主催...
高浜虚子 「五百五十句」
...『漾虚集』を御批評下さってありがたい...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...ただ漾々と身邊に動いてゐる...
太宰治 「お伽草紙」
...あまつさえそこに往来する王様の姿もが共にあい漾映して真の動ける十万億仏土を顕現したるがさまであったという...
中井正一 「うつす」
...かすかな小皺を漾(たゞよは)せて冷やかに笑つた...
長與善郎 「青銅の基督」
...がしかし清二は彼の顔に漾う苦悶(くもん)の表情をみてとって...
原民喜 「壊滅の序曲」
...何処からともなしに鬼気が漾ってゐた...
原民喜 「虹」
...どこからともなしに死臭の漾つて来るのが感じられた...
原民喜 「廃墟から」
...彼は畳の上に漾う光線を眺めながら...
原民喜 「遥かな旅」
...ふと仄明りに漾つてゐるボートが映る...
原民喜 「火の唇」
...部屋の中に漾(ただよ)うている桃色の光りを白眼(にら)みまわした...
夢野久作 「白菊」
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