...用捨(ようしゃ)なく私の精神を蕩漾(とうよう)させてしまいます...
芥川龍之介 「疑惑」
...放浪の陰の漾(ただよ)った...
泉鏡花 「浮舟」
...潮の香の漾(ただよ)う如く消えたのである...
泉鏡花 「浮舟」
...其(そ)の荒海(あらうみ)に漾(たゞよ)ふ風情(ふぜい)に...
泉鏡太郎 「艶書」
...芥子粒(けしつぶ)より小さい二粒の涙を漾(たた)えているのが見える...
魯迅 井上紅梅訳 「不周山」
...○洞庭(とうてい)○赤壁(せきへき)○潯陽(じんやう)○楊子(やうし)の海の如き四大江(だいこう)を蕩漾周流(たうやうしうりう)して朽沈(くちしづま)ず...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...漾人(ようじん)主催...
高浜虚子 「五百五十句」
...十二月五日漱石虚子様その奥には漾虚碧堂蔵書という隷書(れいしょ)の印が捺(お)してある...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...一つの仮象の中に閑暇の中に漾游している...
中井正一 「物理的集団的性格」
...人の心も明暗昇沈の境を漂漾する...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...かすかな小皺を漾(たゞよは)せて冷やかに笑つた...
長與善郎 「青銅の基督」
...漾(ただよ)うは笑の波だと云う...
夏目漱石 「虞美人草」
...是も全く十七八の別嬪の祟と思ふ御用心三五七明治三十九年五月二十六日 午後三時―四時 本郷區駒込千駄木町五十七番地より廣島市猿樂町鈴木三重吉へ拜啓漾虚集が出來ました一部あげます...
夏目漱石 「鈴木三重吉宛書簡―明治三十九年」
...小生抔は始めからあてにして原稿をかきます漾虚集の誤字誤植御親切に御教示を蒙り難有候...
夏目漱石 「鈴木三重吉宛書簡―明治三十九年」
...彼はそこの家に漾(ただよ)う空気の異状さに感づいた...
原民喜 「壊滅の序曲」
...どこからともなしに死臭の漾つて来るのが感じられた...
原民喜 「廃墟から」
...彼等の知性のうちには不思議な病症が漾(ただよ)っていた...
吉川英治 「源頼朝」
...漾(ただよ)って来た――と同時に若い女の後姿が...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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