...書くまでの段取を火鉢にあたりながら漫然と考へてゐるには今頃(いまごろ)が一番いいやうだ...
芥川龍之介 「一番気乗のする時」
...漫然と――しかし僕の好奇心は忽(たちま)ち近来にない刺戟を感じた...
芥川龍之介 「大久保湖州」
...昼も夜も漫然と夢みがちな生活を送りながら...
芥川龍之介 「尾生の信」
...漫然と金口(きんぐち)の煙草(たばこ)を啣(くわ)えていた...
芥川龍之介 「路上」
...漫然とどの女も自分とは関係のないものとして...
武田麟太郎 「日本三文オペラ」
...ただ漫然とそう云っても読者の内には承知しない人もあるだろうが...
戸坂潤 「思想としての文学」
...漫然と赤いから悪いというのでは...
戸坂潤 「社会時評」
...処でこの非常時風景を世間では漫然とファシズムという名で呼んでいるが...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...実は一応もっと漫然とした復古主義のことだということに注目する必要がある...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...とに角漫然とした復古意識が今まず問題である...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...七兵衛は今日しもまた漫然と...
中里介山 「大菩薩峠」
...日本派の俳諧師(はいかいし)これを称して朦朧体(もうろうたい)という忘月忘日 数日来の手痛き経験と精緻(せいち)なる思索とによって余は下の結論に到着した自転車の鞍(くら)とペダルとは何も世間体を繕(つくろ)うために漫然と附着しているものではない...
夏目漱石 「自転車日記」
...漫然と今日迄(まで)經過して來た事を...
夏目漱石 「『傳説の時代』序」
...この頃漫然と外出する時は...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...それを漫然と黒味がかった色と書いたのだと言えば通らんこともなかろうし...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...ただ漫然と読むよりも...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...頭を使わずに只漫然と遣い棄てるのが多いので...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...そういう視点から見れば『論語』の編纂の仕方は決して漫然と集めたというようなものではない...
和辻哲郎 「孔子」
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