...その不平を吉弥はたびたび僕に漏らすことがあった...
岩野泡鳴 「耽溺」
...あの巡査がその鬱忿(うつぷん)をこちらへ漏らすのだから...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...さらに書き漏らすことのできない古い魔術作家がもう一人ある...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...芥川は自決の意を漏らすその前の二ヶ月ほどの間...
小穴隆一 「二つの繪」
...余は遂に未遂の大望を他に漏らす能わざるなり...
高浜虚子 「子規居士と余」
...妻が夜中に嗚咽(おえつ)の声を漏らすことは...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...他(はた)の批評を一句も聞き漏らすまいといつもおど/\と慄(ふる)へてゐた...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...」と私が漏らすと...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「同一事件」
...それを漏らす元気はなかったんですよ...
コナンドイル 三上於莵吉訳 「入院患者」
...フェノロサの研究は浮世絵の各流派を挙げて漏らす処なく堅実にして綿密を極めたり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...その代り内證(ないしよ)の話を外へ漏らすやうな氣のきいた人間ぢやねえ」平次は碎(くだ)けた調子でさう言つて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...逃げ足速い敵の大将を討ち漏らすものかという一心から...
藤野古白 藤井英男訳 「戦争」
...その不平を漏らす所なきを思ひ...
正岡子規 「墨汁一滴」
...ただ君の嗜好の偏するにつきて平生意見の衝突すれども直に言はれざりし不平をここに僅(わず)かに漏らすのみ...
正岡子規 「墨汁一滴」
...全くほんとうにこころ静かに何十年ないほほえみを漏らすのだ...
室生犀星 「しゃりこうべ」
...切って善光寺へ出ずるものとお心得あってよかろう」もちろんこれは寸前まで味方の士卒のあいだにも兵略の機微(きび)を漏らすまいとする万全の用意から出た揚言(ようげん)であった...
吉川英治 「上杉謙信」
...水を漏らすような手抜かりのあるわけはない...
吉川英治 「新書太閤記」
...独りで苦笑いを漏らすことがあった...
蘭郁二郎 「鉄路」
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